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災いは突然やってくる――と、あきらめてはいませんか。どんなリスクにも、心構えさえしていれば、対処は可能かもしれません。名古屋大学減災連携研究センター長・教授福和伸夫さんに、自然災害時の処し方を聞きました。
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3500万人も住む首都圏は、自然災害リスクが大きい都市です。災害の大きさは自然現象の規模よりも、災害の危険にさらされている人の数と資産の量で決まります。
岩手、宮城、福島3県の合計人口は600万足らずで、兵庫県とほぼ同じ。地震のエネルギーは約1千倍違いましたが、東日本大震災の直接被害は20兆円前後で、阪神・淡路大震災の直接被害約10兆円の2倍程度でした。
東京湾岸には石油コンビナートなど危険物がたくさんあります。災害危険度の高い埋め立て地に立地し、建物の耐震安全性が原子力発電所に比べ、はるかに劣る火力発電所もあります。
新しいものは現在の基準で安全につくりますが、古いものの改修は途上です。首都高速道路でも鉄道でも重要なものほど最初につくっているから、古くなって改修が必要な重要インフラが多数あります。
自然災害に強くなるには、自律、分散し、いざというときに協調できるようにすることです。東京の未来とともに、地方が豊かに自律する方法を考える必要があります。地方から上京して大学に入り、そのまま就職すると、地方に戻らず、晩婚になりがちです。地方に戻る人の流れをつくって自律分散型の国土構造をめざすべきです。
例えば、江戸時代の参勤交代のように、大会社の社員は東京の本社と出身地の支店の転勤を繰り返すというのはどうでしょう。働く期間の半分は出身地。家族はずっと地元にいて、東京勤務の間は単身赴任。家族は自然に囲まれた広い家で豊かに暮らせます。老後は地元に戻り、地元愛で、地域を一生懸命守ります。東京の最新の文化を地元に還元することもできます。
※AERA 2015年3月9日号より抜粋