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てんかんの発作で異常な神経細胞が生まれることを脳内の免疫担当細胞ミクログリアが抑制していることを九州大学(福岡市)などの研究班が解明した。てんかん発作の仕組みを解明し、重症化を防ぐ創薬につながる研究成果だという。論文は9日付の英オンライン科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
てんかんは神経が過剰に興奮し、けいれんや意識障害を起こす慢性的な神経疾患だ。発症時には脳内で炎症反応が起きることが知られ、炎症を抑える薬も開発されている。
九大大学院医学研究院の中島欽一教授(神経科学)らは、ミクログリアが興奮した神経を認識しないように遺伝子操作したノックアウトマウスを作製。このマウスは通常のマウスと比べ、てんかん発作後に異常な神経細胞をより多く生み出すことを確かめた。
一方、神経の興奮をミクログリアが認識すると、炎症を起こすたんぱく質が生み出されるが、このたんぱく質を発作を起こしたノックアウトマウスに与えると、与えない場合に比べて異常な神経細胞が生じる量が6割以下に抑えられた。
このため(1)興奮した神経細胞をミクログリアが認識する(2)炎症を起こすたんぱく質を脳内に生み出す(3)このたんぱく質は炎症を起こすだけでなく異常な神経細胞が生まれることを抑制する−−という仕組みが分かった。
中島教授は「今までのてんかん薬は炎症が悪い反応だと考えてきた。だが、炎症も必要な反応だと認識を変えることで重症化を防ぐ薬が開発できる」と話している。【関東晋慈】