２０１３年１２月に創刊した福岡唯一のファッション雑誌「ＬＩＲＹ（リリー）」が地元密着の作りで人気だ。今月２１日には誌面に登場するモデルたちが出演するファッションショーを初めて開催するなど、福岡のモデルたちにとっても新たな活躍の場となっている。

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　ＬＩＲＹは地元のモデルやタレントが所属する芸能事務所「エレガント」（福岡市中央区）が発行する年４回の季刊誌（５４０円）で、２月２８日に第６号を発行した。手がけたのはスタイリストでもある編集長の上野圭助さん（３３）だ。

　東京でスタイリストを６年間経験して、０６年に地元福岡に戻った上野さんは、モデルやヘアメークなどファッションに関わる人たちの活躍の場が少ないと感じた。「雑誌などのメディアに出たい人は多いが、福岡にはファッションを発信する媒体がない」。ファッションに関するフリーペーパーの自主制作経験もあった上野さんが思い付いたのが、自らファッション誌を作り出すことだった。

　誌面に登場するのは福岡を拠点にしたモデルやタレントら。市内のショップで売られている服や、福岡発のアパレルブランドの服の中から上野さんが選び、メークやカメラマンまですべて地元の人材が手掛ける。撮影場所も基本的に市内だ。

　福岡・天神を歩くおしゃれな女性を紹介するコーナーや、一般読者を「変身」させるコーナーなどもある。ほぼ市内の書店のみでの販売だが、読者に近い作りが受けて各号１０００部が完売という。

　最新号に読者モデルとして登場し、プロのモデルを目指す紅月（あかつき）くらんさん（２１）は「東京や大阪などにしかファッション雑誌がなく、オーディションを受けるのも大変だった。こういう媒体が地元にあると活動がしやすくなる」と話す。

　２１日のファッションショーは福岡市博多区の博多阪急４階特設会場で午後１時半と午後３時からの２回開催し、上野さんのトークショーもある。観覧無料。上野さんは「福岡のモデルが活躍できる場をどんどん広げていきたい」と意気込んでいる。【末永麻裕】