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JR常磐線などが東海道線に乗り入れる「上野東京ライン」。同線や同線と接続する成田線の沿線にある千葉県の自治体も今月14日の開業に熱い視線を送っている。都心への通勤が便利になるほか、「都心からの観光や定住先と注目される」との期待があるためだ。特に、人口減に悩む我孫子市や栄町は、街の活性化の好機ととらえ、シティーセールスに躍起だ。
【写真特集】新幹線の上に…上野東京ラインの試運転
上野東京ラインが開業すると、主に上野まで走る宇都宮、高崎線が東海道線と相互に乗り入れ。常磐線は単独乗り入れし品川駅まで直通運転する。常磐線からは上野か日暮里で乗り換えが必要だった東京駅や品川駅と松戸、柏方面の行き来が乗り換えなしでできるようになり、利便性が向上。例えば、柏-東京間の所要時間が7分短縮の39分、柏-品川間が8分短縮の49分になる。
朝の通勤時は、快速電車5本(成田発2本、取手発3本)が品川駅まで直通運転。午後5時以降では、品川駅から、成田や取手・土浦方面の特急・快速電車25本が直通運転する。開業日の14日は、柏、我孫子駅などで一番電車の出発に合わせた式典が行われる予定だ。
人口減少が続く我孫子市は、開業を絶好のアピールのチャンスととらえ、都内での市のPRに積極的に取り組む。まず、18日に、東京駅近くのFMラジオ局「中央FM」の情報番組に15分間2人の職員が生出演。「都心から一番近い天然沼」としての手賀沼をはじめとする観光スポットをPRする。4月以降も1年間、151万円の予算でほぼ東京23区をカバーできる中央FMを含めた三つのFM局の番組で市を紹介してもらい、CMも流す。また、9月までに、東京メトロ全線でも車内の液晶ビジョンで15秒間のCMを245万円かけて1週間放映。関連事業を盛り込んだ予算案を3月議会に提案している。
市は「都心へのアクセスに乗り換えが必要だと、定住先としての検討対象から外れてしまう。しかし、乗り換えなしで都心に通勤できるようになると定住先の候補と見られ、市のステータスがぐっと上がる」と分析。「観光地として都心の人に注目してもらうだけでなく、都心から移住先として選ばれるようにして人口増のきっかけ作りにしたい」と意気込む。
一方、栄町も「開通で都心通勤の利便性が高まり、住む町としての魅力も高まる」(町企画政策課)と期待を寄せる。
同町は、民間有識者で作る日本創成会議(座長・増田寛也元総務相)が昨年発表した「2040年に子供を産む世代の女性の減少率」で、県内でワースト1の77・3%と試算されるなど、人口減の歯止め対策が急務。12年度以降、住宅取得者に10万円と米1俵を支給するなどの支援事業を実施したり、町職員が近隣不動産業者を回って町のPRをしたりするなど必死で対策を進めている。
同町からの都心への通勤者は1000人台とみられ、多くが安食駅(成田線)を利用する。今回、我孫子市同様、常磐線経由で乗り換えをせずに品川駅まで行けるため、利便性が大幅にアップ。14日に品川駅でPR活動を実施し、開通に合わせて来年度から町の公式ホームページの広報などを充実させるなどして、都心を勤務地とするサラリーマン世帯などを呼び込みたい考えだ。同課は「元々、空港や都心のベッドタウンとして発展した町。支援制度も一層拡充し、少しでも人口減を食い止めたい」と話している。【橋本利昭、渡辺暢】