◇首脳級会合に格上げ、１９０カ国・地域の代表が参加予定
　
　　国際的な防災戦略を議論する第３回国連防災世界会議が１４日、仙台市で開幕した。１８日までの期間中、約１９０カ国・地域の代表が参加する予定で、減災のための目標を盛り込んだ今後１５年間の新たな防災行動指針の採択を目指す。
　
　　会議には、関連イベントを含めると全体で４万人以上が参加し、国内では過去最大級の国際会議になる見通し。１４日午前１１時から開かれた開会式には、天皇、皇后両陛下がご出席。国連の潘基文（バン・キムン）事務総長や安倍晋三首相、各国の元首・首脳や閣僚らも参加した。議長に開催国を代表して山谷えり子防災担当相が選出された。
　
　　採択を目指す新指針は、２０１５年まで１０年間の防災行動指針を定めた「兵庫行動枠組」（ＨＦＡ）の後継となるもので、「災害リスクの削減と災害に強い体制づくり」を目標に掲げている。災害による死者数や経済的損失の削減、先進国による途上国への財政・技術支援などを、新指針にどこまで具体的に盛り込めるかが、会議の焦点になる。
　
　　国連防災世界会議は第１回を１９９４年に横浜市で、ＨＦＡが採択された第２回を０５年に神戸市で開催。東日本大震災など世界各地で大災害が相次ぎ、各国の防災意識が向上していることから、過去２回の会議が事務レベル会合の色合いが濃かったのに対し今回は首脳級会合に格上げされた。【狩野智彦、藤沢美由紀】