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東京電力が福島第1原発事故の汚染水対策として約686億円をかけて設置した除染装置など4種類の施設が、故障などにより運転を中止したり、廃止に追い込まれたりしていたことが分かった。会計検査院が23日、発表した。東電は故障状況については公表していたが「個別の施設の価格が表面化すると、他の製品価格に影響するなどの支障がある」として、金額を明らかにしていなかった。検査院は東電に対し、メーカー側にミスがある場合、返金要求など必要な措置を講じるよう求めた。
検査院によると、問題の施設は(1)汚染水から放射性物質のセシウムを取り除く除染装置(約321億円)(2)熱を加えるなどして汚染水から塩分を除去する蒸発濃縮装置(約184億円)(3)淡水や汚染水をためるため、鋼材をつなぎ合わせて造ったフランジ型タンクなど(約160億円)(4)汚染水をためる地下貯水槽(約21億円)。
このうち、(1)は除染能力が低く別の装置の方が有効性が高いとして、運転開始から約3カ月後の2011年9月に停止し、その後廃止した。(2)は汚染水漏れが発生するなどして、運転開始から5〜44日後に停止した。(3)と(4)も汚染水漏れにより、3カ月〜1年10カ月で使用をやめた。
いずれも代替手段がとられ、現状では汚染水対策に影響は出ていないが、国費を投じた事業が頓挫した形。東電は「指摘を真摯(しんし)に受け止め対応を検討する」と話す。
検査院は除染費用負担の見通しについても調べた。政府は国の「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が保有する東電株を売って除染費用約2.5兆円を捻出することを決めている。計算上1株1050円で売る必要があるのに、23日の終値は456円にとどまることから、検査院は「財務基盤を回復する必要がある」としている。【武内亮】