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安倍晋三首相は9日、ドイツのメルケル首相との共同記者会見で「両国は一貫して平和国家としての道を歩んできた」と強調した。8月にも発表する「戦後70年談話」を未来志向の内容にしたい安倍首相にとって、各国首脳との会談は、政権の歴史認識に対する海外の不安を払拭(ふっしょく)する格好の機会。政府は今後も対外発信に注力する構えだ。ただ、今回の会談でメルケル氏が「過去の総括は和解の前提だ」と述べたように、中国、韓国との関係改善という課題を避けては通れない。
政府は4月後半にインドネシアで開かれるアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の60周年記念首脳会議や、同月末からの安倍首相訪米などを通じて、日本の「積極的平和主義」の取り組みを国際社会に説明し、戦後70年談話発表への環境を整えようとしている。外務省幹部は「国際会議や首脳会談など節目ごとにメッセージを出していく」と語る。ともに敗戦国から出発したドイツとの首脳会談は、その出発点の位置付けだった。
安倍首相は会談で、中国の海洋進出など東アジア情勢を提起した。これに関するやり取りの中で、メルケル氏は「アドバイスする立場にはないが」と断ったうえで、ナチス・ドイツの行為を検証してきたドイツの経験に短く言及した。政府筋によると、会談ではメルケル氏のこの発言以外、戦後70年に関する議論はなかったという。
経済的な結び付きの強い日本、中国、韓国とそれぞれ友好関係を維持したいドイツは、歴史認識を巡る日中韓の対立とは距離を置いている。昨年3月、中国の習近平国家主席が訪独した際、中国側はホロコースト(ユダヤ人大虐殺)関連施設の訪問を打診したが、ドイツは拒否した。
ただ、メルケル氏は共同会見で、長年敵対関係にあったフランスとの和解に触れ「どのように過去を総括するか、ナチスの罪にどのように対応したらいいか、ドイツでは非常に突っ込んだ議論が行われてきた」と述べた。
また、会談に先立つ講演で、メルケル氏は会場の質問に答えて「地域の領土問題を平和的に解決するため、あらゆる努力がなされるべきだ」と述べ、領土を巡る日中、日韓の対立に外交的な解決を促した。【鈴木美穂、田中裕之、中西啓介】
◇今後の主な外交日程
3月14〜18日 国連防災世界会議(仙台市)
21〜22日 日中韓外相会談(ソウル)
4月22〜23日 アジア・アフリカ会議60周年記念首脳会議(インドネシア)
末 安倍晋三首相が訪米
5月22〜23日 太平洋・島サミット(福島県いわき市)
6月7〜8日 主要7カ国首脳会議(ドイツ)
7月? 首相がイタリア訪問