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◇国立国際医療研究センター、オンラインで照合可能
国立国際医療研究センター(東京都新宿区)が約120種類の結核菌のゲノム(全遺伝情報)を網羅し、世界のどこからでもオンラインで照合できるデータベースの運用を始めた。世界初の試みで、菌の詳細な型を迅速に判定でき、感染ルートの特定や効果の高い薬の処方に役立つという。
結核は毎年、国内で約2万人、世界では約800万人の患者が発生している。呼吸困難を起こして死に至ることもあり、国内での死者は毎年約2000人に上る。
最近の研究で、結核菌は時代とともに変化し、流行型が存在することも分かってきた。複数の薬が効かない耐性菌も確認されている。同センターは現時点で一般に公開されているものや独自に分析した結核菌約120種類のゲノムを集約し、データベースを作った。
同センターの秋山徹・病原微生物学研究室長によると、菌の詳細な型が分かれば、感染源、感染ルートの分析に役立つが、これまでは型の照合に手間や費用がかかるため、患者からの聞き取りに頼っていた。薬への耐性を調べる際も、実験に約1カ月かかっていた。
今回公開したデータベースを使えば、調べたい菌のゲノム情報を入力後、約5分で型を照合できる。センターのホームページからアクセスでき、研究目的であれば登録者は無料で利用できる。
秋山室長は「国内だけでなく、結核が流行している海外からも利用してもらい、臨床と研究の両面で役立ててほしい」と話す。【藤野基文】