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最初にうわさが出始めたのは2014年夏だから、すでに半年以上の時間が経過している。「MacBook Air」の新世代モデルと言われた製品は、何の修飾もない、ただの「MacBook」として発表された。
しかし、この「新しいMacBook」は、かつて存在したベーシックグレードのMacBookとは異なる。新しいMacBookは、互換性という呪縛から解き放たれたまったく新しい、過去にとらわれることのないノートブックコンピュータとして企画されていたのだ。
キートップ以外にプラスチックパーツを持たない、金属外装とガラスだけで覆われた新しいMacBookは、確かに何らかの工芸品のように美しく、シンプルな外観に包まれているが、デザインがこの製品の本質ではない。MacBookは「ノートブックコンピュータ」という枠組みから想像する製品を変えていく可能性も持っている。
しかし、あまりにラディカルな仕様は、パーソナルコンピュータとして万人に受け入れられるに至るまでに、少しの時間を必要とするかもしれない。
●かつてのベーシック路線ではなく、新しい提案を行うMacBook
新型MacBookは、MacBook Airの後継になるものと目されていた。なぜなら画面サイズが12型になることがサプライヤーなどの動向から判明していたからだ。超薄型の12型MacBookならば、11.6型と13.3型のMacBook Airはラインアップから不要になる。
ところが、MacBook Airシリーズは11.6型、13.3型ともに最新の第5世代インテルCoreプロセッサ搭載の最新モデルに衣替えされ、本日付けでリニューアル発売されている。「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」の15.4型モデルは対応する第5世代Coreプロセッサが存在しないため新モデルはお預けとなっているが、こちらの13.3型も新モデルが発売となった。
すなわち12型のMacBookとは、既存ラインアップの系譜には沿っていない「新しいMacBook」だったわけだ。しかし新しいMacBookは、かつて存在したMacBookとは異なり、「最も購入しやすいベーシックなMacBook」ではなくなっている。クラムシェル(貝殻のように開くメカ構造)型のノートブックコンピュータとして、これまでにない新しい提案を行う製品として位置付けられたのだ。…