秋田書店『ヤングチャンピオン』と双葉社『漫画アクション』は2月24日、出版社の枠を超えた青年誌業界初のコラボレーション企画をスタートした。
コラボ企画第1弾として、京都を舞台に、男子大学生のユキチと女子大学生のチヒロのラブストーリーを描いた今井大輔さんの『古都こと』を2誌で連載開始。2月24日発売の「ヤングチャンピオン」ではユキチ視点で描かれる「古都こと―ユキチのこと―」が、3月3日発売の「漫画アクション」ではチヒロ視点で描かれる「古都こと―チヒロのこと―」がそれぞれ掲載される。
また、コラボ企画第2弾として、2月24日発売の「ヤングチャンピオン」に『クレヨンしんちゃん』と『ブラックジャック』クリアファイルが、3月3日発売の「漫画アクション」にオリジナルポストカードが付属する。両社は今後もコラボ企画を展開する予定だ。[宮澤諒,eBook USER]個人の出版支援やそこに存在するノウハウの共有を目的として活動する任意団体「日本独立作家同盟」は2月20日、4月にもNPO法人化する予定を明らかにした。
日本独立作家同盟は、英国で2012年に設立された「Alliance of Independent Authors」に着想を得て2013年9月に鷹野凌氏が立ち上げた任意団体。これまで、オンライン上で情報交換するコミュニティーの運営や、電子雑誌『群雛』(ぐんすう)の定期刊行などを手掛けてきた。
同日に開催された説明会では、団体の発起人・代表で、NPO化後には理事長に就任する鷹野氏が登壇。鷹野氏は群雛について、収益の9割以上を参加者に配分するなど、「まったくもうかっていない。そもそももうかる仕組みになっていない」(鷹野氏)ことなどを紹介しつつ、もうけることを目的とせず、それでいて取り組みの継続的な発展を担保するために、企業や行政が提供している支援プログラムの適用なども受けられるNPO法人化を図るのだと説明した。なお、ジャンルは少し異なるが、同様の取り組みとして、人文・社会科学領域でNPO法人ratikが2013年に設立されている。
活動としては、これまで行ってきたオンライン・コミュニティーの運営や、定期刊行している電子雑誌『群雛』(ぐんすう)を継続的に発展させるとともに、セルフパブリッシング関連のWebメディア事業やセミナー・勉強会事業を予定する。このほか、群雛のバリエーション(『漫画群雛』『実話群雛』など)を増やすことや、作家と編集者、あるいは企画と出版社をマッチングする出版エージェント的な事業も検討しているという。同団体の活動を支援する正会員と賛助会員の募集も開始しており、正会員は年会費1万円、賛助会員は年会費が1口5万円。
インディーズ出版を盛り上げたいと口にするだけでは何も変わらない。だから、実際に行動を起こすことは重要だ。しかし、個の力だけでは立ちゆかないことも出てくる。ゆえに、群れをつくって力を合わせるのは、『群雛』の創刊時に鷹野氏が寄せた言葉と重なる。個人でも作品を容易に出版できるようになった今日、その先にある課題を感じ取り、動き出した雛たちは、新たなムーブメントの一翼を担うのかもしれない。
[西尾泰三,eBook USER]