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【AFP=時事】米航空宇宙局(NASA)の火星探査機により、謎の塵(ちり)の雲と鮮やかに光るオーロラが観測されたとの報告が18日、米テキサス(Texas)州で開かれた第46回月惑星科学会議(Lunar and Planetary Science Conference)で発表された。どちらも火星上では予想外の現象だという。
猛烈な太陽嵐発生、電力網や衛星に障害の恐れ
無人火星探査機「メイブン(MAVEN, Mars Atmosphere and Volatile EvolutionN)」は昨年12月、地球上で「極光」として知られるオーロラを火星で検出。NASAは「12月25日直前の5日間、MAVENが火星の北半球の空にかかるオーロラの輝きを観測した」と声明で述べ、その理由から「クリスマス光」という愛称で呼ばれていることも明らかにした。
オーロラは、太陽表面での爆発で放出される磁気嵐により、電子などの高エネルギー粒子が大気と衝突して気体を明るく輝かせることで起きる現象だ。
米コロラド大学(University of Colorado)紫外線撮像分光計チームの研究者は「今回観測されたこのオーロラに関してとりわけ驚かされたのは、大気中のどれほど深いところで発生しているかということだ。地球や火星の他の地域に比べて、はるかに低い高度で発生している」と指摘。「このオーロラを発生させている電子は実に高エネルギーであるに違いない」と続けた。
火星オーロラの高エネルギー粒子について研究チームは、太陽から飛来したものと考えている。NASAはその理由について、MAVENに搭載された太陽高エネルギー粒子検出器(SEP)で「オーロラ出現時に高エネルギー電子の急増が検出された」からだとしている。
火星では、保護効果のある磁場が数十億年前に消失しているので、太陽から飛来する粒子が大気に直接衝突して深い層にまで到達できる。
さらに研究チームはMAVENを用いて、火星表面から高度約150キロの上空に特異な塵の雲があるのを観測した。この雲に含まれる塵の発生源や、雲が一時的なものか永続的なものかについては全て不明だ。
「今回観測された塵の発生源としては、火星大気から浮上した塵、2つの衛星フォボス(Phobos)とダイモス(Deimos)に由来する塵、太陽から太陽風で運ばれた塵、太陽を周回している彗星の破片などが考えられる」とNASAは説明している。ただ、これら発生源からの塵が今回観測された位置に出現した理由を説明できる既知のプロセスは1つも存在しないとしている。【翻訳編集】 AFPBB News