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われわれは眠っているときに、脳のなかであちこち歩きまわり、自分が昼間に訪れた場所の位置関係や道順を復習しているのかもしれない。
ニューヨーク大学ランゴン・メディカル・センターの研究者が、方向を検知する脳細胞は、ぐっすり眠っているあいだも起きているときと同様に活発に活動していることを発見したのだ。
■ 睡眠時も活発に働くニューロン
『ネイチャー・ニューロサイエンス』誌に発表された彼らのレポートでは、マウスの方向感覚をつかさどるニューロンは、寝ているあいだにもかかわらず、視覚による方向感覚をバーチャルに信号化し続けているという。
レム睡眠時(起きているときと同様に脳が活動しているとされる)には、“脳のなかの方位磁石の針”も起きているときと同じスピードで動く。そして徐波睡眠時(一般的に深い睡眠とよばれる状態)には、起きているときより10倍速いスピードで首を振っているかのように、10倍の速度で動くという。
以前から眠っているあいだにも脳が働いていることは知られていました。しかし今、それがどんなふうに働いているのかを知ることができたのです。
それは“頭の向き”です。あるいは“私たちが見ている方向の感覚”と言ってもいいかもしれません。方向感覚はわれわれのナビゲーションシステムにおいて重要な要素です。というのは、私たちの脳内にある方位磁石や地図の感覚をリセットすることができるからです。たとえば、地下鉄の駅から外に出て、目的地を目指すときのように。
とGyorgy Buzsaki博士は語る。さらに博士はつけ加える。
われわれは、睡眠中の方向感覚に関わるニューロンの活動が、動物が道を探索しているときの視覚の働きを補完するように活動していることを発見しました。これは周囲環境の影響がない状況でも、脳が自身の活動を探索し、協調活動をしていることを意味するものです。
このことは、脳は各種の感覚から入ってくる情報をただ受けているだけでなく、直接探知してもいる、という博士の説を強く裏付けるものだという。
■ 脳内で地図を再構築している?
また、同研究チームのAdrien Peyrache博士はこう言っている。
睡眠中の大部分の時間で起こるこの協調活動は、脳のなかで“地図”を記憶する際に、場所、出来事、時間といったナビゲーションのためのバックアップシステムを強固なものにしている活動だと考えられそうです。
今後、同研究チームはより複雑な行動と結びついた、脳のほかの部分の観察も計画している。…