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Apple Watchは競合との差別化を打ち出すに至っていない アップルの変貌

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Apple Watchは競合との差別化を打ち出すに至っていない アップルの変貌

 Apple Watchは競合との差別化を打ち出すに至っていない アップルの変貌

 

  アップルとしては創業者スティーブ・ジョブズが2011年に亡くなって以来初の新製品が発売されるということで、注目を浴びるApple Watch。今月行われた同社主催「Spring Forward」のプレスイベントでティム・クックCEO(最高経営責任者)は、「従来型の腕時計」と「競合他社が先行するスマートウォッチ」の両方の市場において、競合との競争に挑もうとしていることを明らかにした。
 
  従来の時計は、いわゆる「性能」と「デザイン」が競争戦略のポイントであった。例えば、性能面では「100年間の使用で1秒の誤差」「防水に強い」などによる差別化の展開、またデザイン面では、高級感やカジュアル感、スポーティー感などによるブランド価値の向上である。従来の腕時計メーカーはこの2つの面から自社の時計の技術進歩に邁進し、競争力を高めてきた。
 
  今回発表されたApple Watchは、技術よりもデザイン主導で開発されていることから、性能よりもデザイン面を重視して、「従来型の腕時計」という成熟市場で競争に勝ち抜く意図が見て取れる。アップルは、ジョナサン・アイブ上級副社長が指揮するデザイン陣にプロダクトデザイナーとして大きな功績を持つマーク・ニューソン氏を迎え入れ、より強力な布陣を配置した。
 
  結果として、ファッション性を重視してApple Watch、Apple Watch Sport、Apple Watch Editionの3つのカテゴリーに分類してバリエーションを増やしている。これはiPod、iPhone、iPadなど初代製品のラインナップと大きく異なる。ジョブズがこれらの初代製品を1種類のみでリリースしたのは、どの製品にも性能面とデザイン面で大きな自信を持てたからだ。Apple Watchでは、デザイン面における訴求力向上のために豊富なバリエーションという選択肢を採用した。
 
 ●革新性につながる価値を創出できるか
 
  一方、競合他社が先行するスマートウォッチ市場では、やはり、IoT(The Internet of Things:モノとインターネットの融合)がポイントになるであろう。IoTで重要なのは、Things側の本質に「変化」もたらすことである。つまり、それは革新性につながる価値を創出できるかどうかである。
 
  腕時計にインターネットを取り入れるのは、スマートウォッチの製品コンセプトとしてもはや常套手段のひとつであるが、重要なのは、接続機能、ウェアラブルとしての特性、データの3つを生かして、スマートウォッチに劇的な変化をもたらすことである。…

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