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日本アイドル史上最大規模となるオーディションを経て結成された「乃木坂46」結成から4年ーー。発売中の『週刊プレイボーイ』13号で、明かされる彼女たちのヒストリー、連載「乃木坂46物語」が始まった。
今、初めて語られる、史上最強のお嬢さま系アイドルグループの秘蔵エピソード。第1回「少女たちが乃木坂を目指した理由」から、白石麻衣の告白を公開する。
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白石麻衣は、故郷にあまりいい思い出がない、と語る。彼女の出身は群馬県。しかし、それを口にすることは、ほぼない。
ラジオやテレビで他のメンバーが「秋田県出身の生駒里奈です」「北海道出身の橋本奈々未です」。そう自己紹介をしていても、彼女だけ「22歳の白石麻衣です」と、出身地を削るのだ。
中学時代。彼女は学校で同級生に“意地悪”をされていたという。それが原因で、不登校となった。
2015年現在、女性ファッション誌『Ray』のモデルとなり、誰もが憧れる彼女しか知らない者からすると信じられないかもしれない。
「正直、東京に行きたくて仕方ありませんでした。それまでの生活も嫌いだったし、ちっちゃい頃から姉が買っていたファッション雑誌の中に写っている東京に憧れていたんです。お洋服屋さんもいっぱいあるし、ショッピングする場所もある。原宿にも行ってみたかった。雑誌に書かれてる“楽しい生活”は、地元ではできると思えませんでした」
中学卒業後、彼女はそんな故郷から飛び出し、埼玉の高校へ進学。母親とともに引っ越す。新たな高校生活は夢のように楽しかった。友達もたくさんでき、“まぶしいくらいの青春時代”を送った。
「高校時代、学校の授業で保育を選択してました。子供が好きっていう理由もあって、その頃は保育士を目指していたんです。でも、高校3年の進路を決める時に、音楽系の専門学校の説明会を聞いていたら興味が出てきたんです」
その後、音楽系の専門学校へと進んだ彼女は、本格的なレッスンや音楽理論などを学び始める。仲のいい仲間たちと一緒に音楽ユニットを組んで歌ったりもした。
―そんなある日。乃木坂46と出会うことになる。
「担任の先生から“今度、こんなオーディションがあるんだよ。受けてみたら?”って結構強く勧められたんです。正直…その時はアイドルに興味はなかったんです。でも、“そこまで言うなら、受けてみようか”って、友達と4人で受けたんですよね」
書類選考を突破した彼女は、2次審査オーディションへ。
「私、オーディションって、テレビとかで見ていたなんとなくなイメージで“ちょっとラフなTシャツにショーパンみたいな格好で受ける”っていう思い込みがあったんで、そういう服装で行ったんです。…そしたら、みんなフワッフワのピンクのワンピースとかを着てるコばっかりだったんですよ。“私、終わった”って思いました。
面接もすごくて、みんな特技を必死に披露(ひろう)するんです。“腹踊りします”とか、“『私を乃木坂46にしてください!』っていう署名を集めてきました!”っていうコもいて。みんなすごくアツかったから、私は絶対ダメだなって。やることなかったから軽い自己紹介で終わりました。最後に審査員の方に『変顔できます?』って言われたんで、50%くらいの力の変顔をしたんですよ」
しかし、その結果、彼女は最終審査へと進むことになった。
「50%の変顔で? あれがよかったの?」と、驚いたという。
―白石麻衣。
数年後、乃木坂46のセンターに立つ。
しかし当時の彼女は、アイドルになる気もなく乃木坂へやって来た、故郷を捨てた19歳の少女だった。
(取材・文/篠本634[short cut] 撮影/細居幸次郎)
■週刊プレイボーイ13号(3月16日発売)連載「乃木坂46物語」より(本誌では桜井玲香、橋本奈々未、松村沙友理、高山一実、生田絵梨花も告白!)