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タイトーが1986年にリリースしたアーケードゲーム『ダライアス』はゲーム性もさることながら、3つのモニターを連結してステージを表示するという、これまでにない拡がりに多くのゲームファンが目を奪われ、また虜とされてきました。
【関連画像】
構造上、横方向はもちろん前後も大きな幅を取るため、この筐体が放つ存在感は凄まじいものがありました。ゲームセンターに置かれている筐体の中でも一際目立っており、「家にこの筐体を置きたい」と、当時のアーケードゲーマーたちから羨望と注目を集めていた一作です。
そんな『ダライアス』への憧れを抱き続け、なんと自作に乗り出した方がいました。Webサイト「Arcade Cabinet」にて自作の模様を綴っているHidecadeさんは、今年の1月に「ダライアス筐体風Macmini用筐体」を制作。全体のデザインを見事に落とし込んでおり、もちろんコントローラーも設置されています。
これだけでも素晴らしい仕上がりですが、このMacmini用筐体を作ったことが逆に火を点けてしまい、「ダライアスはやはりブラウン管3画面筐体でないといかん!!」と更なる筐体の制作に乗り出しました。初期バージョンのダライアス基板を入手し、新品ブラウン管も3台用意。Hidecadeさんの新たな挑戦が幕を開けます。
しかしその制作は、決して簡単な道のりではありません。基板をブラウン管に繋いだところ、左右のモニタも普通に映ってしまいます。普通ならばよいのではと思われるかもしれませんが、ブラウン管をそのまま並べただけでは、画面と画面の間に物理的な隙間が生まれてしまいます。それを回避するため、モニターの画像をハーフミラーに反射させることで3つの映像を隙間なく表示させる、といった手法が取られているのです。
反射が必須なため、画像を反転して表示させなければなりません。ですが購入ブラウン管モニターには画像反転機能がなく、計画はいきなり壁にぶち当たってしまいます。構造をネットで調べてみると解決できそうなプランが見つかるものの、リスクも高く容易に手が出せません。
結果としては、モニターを購入したアールエスに問い合わせたところ、偏向ヨークの差し替えると上下および左右の反転が可能と教わり、無事問題が解決。進捗を読んでいるだけのこちらも、ほっと胸をなでおろします。このようにひとつひとつ手探りで、『ダライアス』筐体作りが進んでいきました。
制作中に基板が故障し、その動揺からか側面に貼る塩ビシートを左右反転させず、まったく同じものを2枚印刷してしまうミスなどもありましたが、壁にぶつかっても諦めず少しずつ歩を進めます。その甲斐あって現在、完成まであと少しというところまでこぎ着けました。
3月30日に発表された最新の進捗では、ボディーソニックトランスデューサーを内蔵するシートの作成に取りかかっているとのこと。本体側だけでなく腰を下ろすシートも自作、しかも振動までも再現するこだわりぶりです。ここまでくれば、嬉しい報告も間近と言えるでしょう。Hidecadeさんのサイトを今後こまめにチェックし、筐体の完成を共に喜んでみてはいかがでしょうか。
■Arcade Cabinet
URL:http://ameblo.jp/arcade-cabinet/