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大田原市黒羽地区を流れる那珂川で6月1日のアユ釣り解禁に向けて放流された稚アユがカワウに捕食される被害が目立つとして、那珂川北部漁協(薄井一郎組合長)は9日、被害の防止につなげようと試験的にヤマメ約4500匹を放流した。釣り人を呼び込むことでカワウがアユを狙いにくい状態にしようという試みだ。
同漁協ではアユの解禁に向けて3月末から稚アユを放流。組合員が早朝、交代でカワウを監視しているが、稚アユが捕食される光景が何度も目撃されてきたという。今後、カワウは産卵から抱卵期を迎え、食欲も旺盛になることから、緊急対策として初めてヤマメを放流した。
人の気配を感じると近づかないカワウの習性を利用し、河川に釣り客がいる状態にすることで、カワウの食害防止につなげる狙いがある。
この日は、同市黒羽地区の高岩大橋から同市湯津上地区までの下流(11キロ)の計11カ所でヤマメを放流した。同漁協によると、3月までに県内8カ所で約1400羽のカワウが確認され、大田原地区では羽田沼で約110羽の生息が報告されているという。薄井組合長は「釣りをしながらカワウの被害防止に協力してほしい」と話している。