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――日本全国のちびっ子から青少年、大きなお友だち、さらにはお母さん方といった女性までもを魅了する特撮ヒーローたち。そんなヒーローの活躍を世に広めるためのレビュー! これさえ読めば、気になる特撮作品のあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には"ネタバレ"が含まれていますので、ご注意ください。
■『烈車戦隊トッキュウジャー』
第46駅「最後の行き先」
【今週の極私的見どころ!】
1号の中の人が引退、最後の輝きをその目に焼きつけろ!
『特命戦隊ゴーバスターズ』のレッドバスター、『獣電戦隊キョウリュウジャー』のキョウリュウレッド、そして『烈車戦隊トッキュウジャー』のトッキュウ1号と、3年間スーパー戦隊シリーズの華・レッド役のスーツアクターを務めていた押川善文氏が、2月4日に俳優業を引退すると発表した。最後の出演作は、3月21日公開の劇場版『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』でのイマジン・デネブとのことなので、おそらく『トッキュウジャー』が出る劇場版スーパー戦隊シリーズ新作の撮影はまだだろう。ということは、押川氏のレッドを見れるのは『トッキュウジャー』の最終回のみ。最後の輝きをその目に焼きつけろ!
【今週のオススメ度】
★★★★★
闇の皇帝ゼット(演:大口兼悟)を倒すため、闇のトッキュウ1号と化してひとりキャッスルターミナルへと向かうライト(演:志尊淳)。その闇の力は、モルク侯爵(CV:鈴木れい子)やネロ男爵(CV:福山潤)たちを圧倒するも、いまだゼットには及ばず、明(演:長濱慎)と共に退却するはめに......。
先週は放送休止となったので、2週間ぶりのトッキュウジャーです(しかし、そのせいで遅れてしまったはずの『手裏剣戦隊ニンニンジャー』のスタート日を"2月22日はニンジャの日!"と強引に宣伝に結びつける東映さんは商人[あきんど]の鑑やで)。闇を止めるために闇の力を使うという矛盾を抱え、「勝利のイマジネーションが見えない」と言うライトの心情を表すかのように、闇のトッキュウ1号から放出される闇はさらに増大していきます。
明になんとか烈車に連れ戻され、しばしの休養をとるものの、ライトの心は穏やかではありません。闇を取り込んだからこそわかる、闇が光を渇望する気持ち。だからこそ、一刻も早くゼットを倒さなければ、と焦るライトを、明は「行くなとは言わん。だが今は休め。町や人を助けたいのならな」と、ハードボイルドな口調で止めます。…おおっ、なんか終盤になって明が普通にカッコいいぞ。しかし、さり気にライトの肩に手を置いたり、今回妙にフレンドリーな気も。
そして、町を覆い尽くすかのようにキャッスルターミナルから広がっていく闇を見て、ライトは明に問うのです。
「みんなは、ちゃんと帰った?」
「ああ、もう何も覚えてない」
「そうか......よかった」
ここのライトの複雑な微笑みで、開始からわずか8分でもう号泣。たとえ自分が忘れられても、大切な仲間を救おうとする。こんな10歳いるのかーと思いましたが、ある意味、10歳の純粋さならではの行動なのかもしれません。ともあれ志尊淳くん、第1駅からしたらホントに演技が上手くなった。こっちにも感動。トカッチ(演:平牧仁)たちがいなくなった烈車の車内を見渡し「結構、広かったんだな、ここ」とつぶやくライト。しかし明、なぜここでハーモニカで「きらきら星」を吹くのだ。なんかもう、あえてライトを泣かせようとしている気がしてきました。一曲吹き終え、おもむろにライトの前に座ると......
「あの闇の中で戦えるのは、俺とお前だけだ......今度は絶対、俺を置いていくな」
「うん......わかった......」
ここの、首まで毛布にくるまって座ってるライトの姿と、ちょっとはにかんだ表情から「告白キターーー」「ライト、落ちた」「明、トカッチはどうした!!!」「この期に及んで、ネタ投入とは」などと、ニューカップルの誕生に動揺を隠せない"B"で"L"なクラスタたちが多数。いや、わかってるんですよ。せっかくのシリーズ終盤なんだから、そんな邪推抜きで物語を楽しむべきだというのは......でも、もうこれは業、ということで勘弁していただきたい。
お弁当も食べ、元気を取り戻したライトは、再びキャッスルターミナルへの突入を決意。これまでは見ているだけだった車掌さん(演:関根勤)たちも「旅は道連れ」と同行することに。ところが、その前にネロ男爵が操る超クライナーロボが立ち塞がります。苦節一年、『コードギアス』のルルーシュばりの裏切りキャラかという予想を裏切り、反逆者だらけのシャドーライン陣営随一の忠臣だった彼が、ようやく今回、その忠誠心を認められた(ゼットじゃなくてモルク侯爵にですけど)こともあって、激しくレインボーラインを阻止しようとしますが、お前の相手はこの俺だ、とばかりに明のビルドダイオーがその意気込みを挫きます。…その隙にキャッスルターミナルの目前まで近づいたライトの元に、なんとゼット自らが降臨。ゼットは完全態に、ライトは闇のトッキュウ1号に変身し、激突します。しかし、闇に落ち、キラキラがなくなったせいか、勝利のイマジネーションが見えないライトはゼットの刃に倒れてしまいました。そこへライトを救おうと、車掌さんが烈車ごとゼットに突撃。なんとゼットは烈車を真っ正面から受け止め、『のたり松太郎』ばりのうっちゃりで放り投げてしまいました。暴走、人身事故、脱線って、何かあったら放送延期必須な要素がてんこ盛りなんですけどー! 終盤なのに、この攻めの演出。やっぱり、このスタッフはいい意味で頭がおかしい。
やはりサポートはトカッチたちじゃないと......車掌さんたちも諦めかけていた、その時。ワゴンさん(CV:堀江由衣)が一縷の希望を明かします。実はワゴンさんは明に、あるモノを秘密基地に置いて来てくれと頼んであったのでした。それは成長した姿の五人で撮った一枚の写真。秘密基地でその写真を手にしたトカッチたちは、すべてを思い出しました。ライトがこの秘密基地を作ったこと、自分たちがトッキュウジャーであったこと、そしてライトが今ひとりで戦っていることも。
「俺たち、私たち、トッキュウジャーだった!」
ライトを救うため、再びトッキュウジャーになろうとする四人ですが、レインボーラインに乗車するためのパスがありません。しかし、あることを思い出します。レインボーラインのパスは、元々ライトお手製の秘密基地のパスだった。ならば新しく秘密基地のパスを作れば、レインボーラインのパスになるはず! 四人はパスを作り、祈ります。
「行き先は、ライト!」
四人のイマジネーションは奇跡を生み、レインボーラインを呼び寄せました。そして成長した姿に戻った四人は烈車に乗り込み、キャッスルターミナルを目指します。ところが、キャッスルターミナルはゼットが溜め込んだ闇の力で闇の巨獣と化し、あたり一面を闇で包んでしまいました。ゼットと戦うライトも、トカッチたちが乗った烈車も、そして昴ヶ浜の町も......。ネロ男爵の超クライナーロボと戦っていて、辛うじて闇から弾き飛ばされた明は、線路を通じてみんなの気配を探りますが、そこには何も感じられず......。
闇はその寂しさから光を求め、周りを闇に包んでしまう......ライトから語られた闇とキラキラの関係は、あまりに切ないものでした。…ゼットがライトにこだわっていたのも納得です。ただその一方で、ライトは自分以外のみんなのキラキラを守るために、あえて闇の力を使っているわけで......トカッチたちが復活しても、この闇と光の関係にはひと波乱ありそうです。
終盤でようやくライトも救われると思ったら、そこから見渡す限りの絶望感に包まれて、これは「続きを見るしかない」と思わされた第46駅でした。それにしても、ネロ男爵はこれでフェイドアウトなのかなー、いいキャラなのに。出陣シーンでの「これより奴ら(トッキュウジャー)を排除してきます」は完全な死亡フラグだと思いましたが、そんな裏切りなら大歓迎なのよ。
さて烈車戦隊トッキュウジャー。勝利のイマジネーション! 出発進行!! 次の停車駅は、闇の力を使ってもゼットに勝てないライトは、このまま闇に飲まれてしまうのか? トカッチたち、復活したトッキュウジャーたちの運命は? グリッタは本当にゼットにやられてしまったのか? 予告編で流れた明の変身ポーズは本編でも使われるのか? すべての支線が今ひとつになる終着駅「輝いているもの」です。線路の向こう側で輝いてるものがなんなのか、気になる人もそうでない人も、乗り遅れのないよう、ご注意ください!!
EDの列車紹介は、クライマックス近くで尺の関係か、ありませんでした。
(文/雑賀洋平)