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投げれば160キロ、打てば誰よりも飛ばす。そんな二刀流で3年目を迎えたのが、日本ハムの大谷翔平だ。
プロ入り当時こそ二刀流に賛否の声が挙がったが、現在、むしろ大谷への期待はますます高まっている。果たして、どこまで記録を伸ばすのか?
そこで今回は「20勝&30本」という夢のような記録の可能性について考えてみたい。まず、投手としての20勝の可能性を探ろう。
大谷は昨年、24試合に先発して11勝4敗。勝ち星を増やす単純な方法は登板数を増やすことだ。昨年は主に中6日だったが、中8日、10日と間隔が空くことも数回あった。これをなくすだけで、年間26試合ほど先発できる。
ただし、それ以上増やすために中5日で…というのは現実的ではない。かつて大洋、横浜のエース左腕として活躍した野村弘樹氏も言う。
「他の投手なら多少無理させても先発回数を増やすという考え方もある。しかし大谷は野手としても出場するので、簡単に登板数を増やせない。二刀流の難しいところです」
今年、栗山英樹監督は「優勝から逆算していろいろなことを考えている」と“勝利最優先”を掲げており、大谷がシーズン終盤の勝負どころで優先的に起用される可能性もあるが、それでも先発は最多で28試合程度だろう。
そこで参考になるのが2013年、楽天のエースとして27試合に先発し、24勝0敗という記録を残した田中将大(現ヤンキース)のケースだ。昨年までロッテの捕手として活躍し田中、大谷の両方と直接対決した経験のある里崎智也氏はこう語る。
「田中の素晴らしかった点は、何よりも制球力。そして、得点圏に走者を背負ってから初めて全力投球する“ギアチェンジ〟に長(た)け、省エネがまかったことです」
事実、13年の田中はあらゆる数字で昨年の大谷を上回っている。特に注目すべきは、1イニングに要した球数の平均。大谷の16.3球に対し、田中は14.1。昨季16勝したオリックスの金子千尋も15 .7球と少なく、QS(クオリティスタート・6回以上を投げ、自責点3以内)の割合も、ふたりは大谷より格段に上をいっている。
逆に言うと、この点を改善できれば20勝の目も出てくる。昨年の大谷は勝ちも負けもつかない試合が9つもあったが、長いイニングを投げればこれが減り、白星は確実に増えるからだ。乱暴な計算だが、昨年の「勝ち負けつかず」の9試合のうち、3分の2に当たる6試合が勝ちに変われば、もう17勝だ。
「やはり大谷の最大の課題は制球力。これが改善されれば球数が減り、“省エネ投法”で長いイニングを投げられます」(里崎氏)
特に、苦手な立ち上がりをすんなり乗り切れるようになれば、成績が伸びる可能性は高い。
ただ、省エネといっても、打たせて取る技巧派になる必要はない。“大谷流・省エネ投法”の理想像を、野村氏はこう語る。
「初回から160キロをマークする大谷のパワーは、誰にもまねできません。それで三振を狙いにいけばいい。全員を3球三振なら、81球で完投できます。もちろんこれは理想論ですが、大谷のボールなら制球力さえ磨けば、常にストライクゾーンで勝負できる。そうすれば、おのずと球数も減っていくはずです」
大谷の魅力である真っすぐで押すスタイルは変えなくていいということだ。ちなみに、課題の制球力について、パ・リーグ某球団スコアラーはこう分析している。
「大谷の制球力不足は、メンタル面の問題が大きいと感じます。あれだけ注目されていれば気負ってしまうのも仕方ないのかもしれませんが、技術的には大きな欠点がないだけに時間が解決してくれると見ることもできますね」
もはや、大谷の素質の高さに異論を挟む人はいない。あと必要なのはタフな精神力と「20勝」を視野に入れた投法を学ぶだけだ。
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