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今春に公開になるディズニーの最新作『シンデレラ』で、名女優ケイト・ブランシェットが主人公シンデレラを憎む、まま母を演じている。これまで描かれてきたまま母は、単に意地悪で傲慢で容赦がなく恐ろしい存在だったが、ケネス・ブラナー監督とブランシェットは役を探求し、現代の観客がより深く物語に入り込めるように描いたようだ。
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本作は、有名な“シンデレラ”の物語を、英国演劇/映画界の巨匠ケネス・ブラナーが実写映画で描き出す超大作。新鋭リリー・ジェームズが美しくて愛らしいシンデレラを演じ、ヘレナ・ボナム=カーターがカボチャを一瞬にして馬車に変えるフェアリー・ゴッドマザーを演じる。ブランシェットは現代の映画界を代表する名女優のひとりで『エリザベス』『ロード・オブ・ザ・リング』『ブルージャスミン』などの作品に出演。圧倒的な美貌と気高さ、演技力の高さが評価されている。
これまでシンデレラの物語が語られる際には、まま母は単なる“悪役”でしかなかった。しかし、『眠れる森の美女』の“悪役”マレフィセントの奥底に眠る愛のドラマを掘り起こし、童話に出てくる冷酷な“雪の女王”を題材に、ありのままでいたいと願う女王エルサを描き出したディズニーは、『シンデレラ』の意地悪なまま母トレメイン夫人のキャラクターを深く掘り下げた。
トレメイン夫人は、シンデレラの母が亡くなった後に、連れ子と共に家にやってきた。では、夫人の“前の夫”はどうなったのだろうか? なぜ彼女はシンデレラの父と再婚することを決めたのだろうか? トレメイン夫人が、シンデレラが「舞踏会に行きたい」といったときに全力で阻止しようとしたのはなぜだろうか? 舞踏会の後、王子がガラスの靴の合う女性を探している際、シンデレラが王子と結婚することで、家族である自分たちにも恩恵があると夫人が考えなかったのはなぜだろうか? よく考えると不思議な点の多いが、映画『シンデレラ』ではこれらの疑問にすべて答えを出し、深いドラマを描き出している。
「おとぎ話では、大げさに描いてしまいがちだけれど、今回はこのキャラクターの核にある真実を見いだすことで、かなりバランス感覚のある演技ができました。純粋に邪悪な人なんて誰ひとりいない……誰にでもそうなる動機や誘因があると思う」というブランシェットは「この女性は自分の人生をもう一度やり直そうとしていたときに、彼女の新しい夫が彼の娘シンデレラに注ぐ深い愛情に激しく嫉妬してしまったことを、観る人は垣間見ることができる」という。…