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(毎週水曜更新予定)
小山健
1984年奈良県生まれ。三重県育ちの現在大阪市在住、関西を中心にイラストレーター/マンガ家として活動中。ブログを書籍化した『手足をのばしてパタパタする』(エンターブレイン/1,080円)が好評発売中。
[写真]高知県四万十町興津地区の全景
3.11から4年を迎えるのを前に、津波防災に対する関心が高まっている。「もっとも基本的だが、同時にもっとも有効な減災対策」として、国の想定にも位置づけられているのが、早期の避難である。そして、早期避難を実現するための定番的な方法が、避難訓練である。
避難訓練「応用問題」の重要性
避難訓練が大切であることは言うまでもないが、その効果を高めるためにも、今回は、あえて、基本問題ではなく応用問題の重要性について考えてみよう。
ここで基本問題と言っているのは、たとえば、地域コミュニティや学校の避難訓練で標準的にとられているスタイル、すなわち、明るい昼間、みなが教室などから一斉に逃げ出すようなスタイルである。さらに加えれば、雨天だと訓練を中止する場合もあるので、訓練は晴れの日が多いという傾向もあるだろう。
それに対して、応用問題とは、周囲の見え方が昼間とは歴然とちがう夜間に行う訓練、あるいは、ある子どもはまだ家庭に、多くの子は通学路上、そして何人かは学校に到着済といった時間帯に地震が発生した場合を想定して行う登校時の訓練などを指す。
地震による土砂くずれと津波など、複数の災害が重なった場合を念頭に置いた訓練など、他にも応用問題はたくさん考えることができる。
四万十町で実施した夜間訓練はこんな形で
ここでは、筆者がここ数年来、津波防災対策のお手伝いをしている高知県四万十町興津地区で実施された夜間訓練のケースについて紹介しよう。
興津地区は、仮に南海トラフの地震が発生すると、最悪の場合、20メートルを超える津波が最短で15~20分程度で押し寄せるとされている地域である(写真参照)。夜間訓練は、昨年12月に実施された。まずはじめに、いきなり夜間訓練が実施されたわけではないことを明記しておこう。この地区では、それまで、繰り返し、昼間の避難訓練が実施されてきた。地域の住民組織や町役場が、その蓄積の上に立って安全性などにも配慮することで、ようやく夜間訓練が実現したのである。その意味で、夜間訓練は、まさに応用問題である。
その日の訓練には、町の住民の3分の1もの方が参加した。筆者自身も参加した。手押し車(シルバーカー)を利用して歩く、ある高齢の女性の避難に付き添いながらの参加であった。寒いから防寒具を着る、靴を履く、手押し車と懐中電灯を準備する・・・地震による停電までは再現できなかったので、家の灯りはついているのだが、それでも、自宅を出るまでに一定の時間がかかる。
路上に出る。人口千人を切る小さな集落である。散在する家々の電灯は灯っていても、ほぼ「真っ暗」である。この地区には、太陽光や風力で蓄えた電気で点灯する避難誘導灯が多数設置されている。しかし、これらは避難場所への方向を示す機能としては十分だが、光力としてはそれほどでもない。だから、暗い。夜だから暗いのは当然だが、あらためてそう実感する。
体感してわかること、訓練の意義
そして、暗いと、具体的に何が起きるのかを体感できるのが、実際に訓練してみることの意義だ。たとえば、昼間なら無意識のうちに避けられていた小石や、側溝の蓋にあいた小さな持ち手穴に、手押し車の車輪をとられて女性が立ち往生する場面が数回あった。転倒してケガでもしたら、こうした女性の体力と津波までの猶予時間を考えると、それが致命傷となるかもしれない。
結局、この女性は30分近くを要して、近くの高台まで避難することができた。これは、その日訓練に参加した人の中でもっとも長い時間であった。ただし、後日、筆者らの研究室で作成しているシステムを使って、この女性の動き(GPS発信器をつけて避難してもらっている)と津波浸水シミュレーションとを重ねてみると、訓練通りに避難できれば、何とか津波から逃げ切れていることもわかった。
避難途上の坂道で、何人かの近隣住民が、女性と筆者を追い越していった。その際、「おばあちゃん、がんばって、もう少しやき」と声をかけてくれた。こうした言葉が、女性には大きな支えになっているのが、筆者にもよくわかった。
この地区の訓練は、各人のタイムトライアル(所要時間計測)を兼ねているので、この日は声かけだけだったが、実際の津波来襲時には、この方々は、もちろんおばあちゃんの手を引いて逃げてくださるだろう。
地図URL:http://map.yahoo.co.jp/maps?lat=33.21166184000001&lon=133.13705780999996&z=11
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東日本大震災から4年。未曽有の大災害は私たちに大きな衝撃を与えたが、その記憶は薄まってはいないだろうか。東京工芸大学が2014年11月に実施した調査によると、50.4%が「近年、自身や家族の防災意識が薄れてきていると感じる」と回答している(東京工芸大学「災害情報の活用に関する調査」)。このレポートでは、大京グループが東京消防庁と共同で実施した防災訓練を元に、「オフィスの防災」についてのチェックポイントを紹介する。
「オフィスの防災」についてのチェックポイントを紹介
オフィスは避難しやすい環境か
オフィスで大地震にあった場合、最も注意すべきはオフィス家具の転倒だ。東京消防庁防災部 震災対策課震災対策係長 佐々木愛郎さんによると、ビルの高層階、特に6階以上のフロアはゆっくりと大きく揺れる「長周期地震動」の影響を受けやすく、家具転倒の危険性が高い。高層ビルに入居している企業では、転倒防止策がきちんとできているかどうかが社員の生存率を上げる鍵となる。東京消防庁の「家具転倒防止対策チェック・レクチャー」から、具体的に注意すべきポイントをいくつか紹介しよう。
東京消防庁による「家具転倒防止対策チェック・レクチャー」
1.フロア
全体を見渡せるか、視界を遮るような大きな家具がフロアの中心に置かれていないかが重要。また、個々のデスクを整理しておくこと、通路に物を置かないことも、避難をスムーズに行う上でのポイント。
2.キャビネット
背が低ければ、倒れても避難経路を完全に塞ぐということはない。通路沿いに置くことは推奨できないが、置かざるをえない場合は固定しておく必要がある。
3.オープンラック
上下を固定した上で、軽いものは上、重いものは下に収納する。また、側面と側面をつなぐようにベルトをつけると、落下防止効果が期待できる。
オープンラックは上下を固定し、重いものは下に
4.コピー機
コピー機は重心が高く重量があるため、実は揺れに対して弱い。さらに、キャスターのついているものでは、ロックが掛かっていても大きな揺れでロックが外れて移動、あるいは転倒するという可能性もある。対策としては、キャスターをロックした上で、固定のための下皿を敷き、ワイヤーなどで壁に固定する。
5.電子レンジ
弁当のあたため用に設置している職場も多い電子レンジ。棚においてある場合は、耐震用粘着マットなどで固定する必要がある。ただし、棚自体が固定されていないと電子レンジの重みで重心が高くなるので、大きく揺れた際非常に倒れやすくなる。棚自体の固定も忘れずに。
6.冷蔵庫
コピー機と同様かなりの重量があるため、地震の揺れで人にぶつかると、大けがにつながる。転倒防止には、上部をネジなどで固定、または背面についている運搬用の取っ手にワイヤーやベルト式器具を付けて、壁と連結するとよい。
冷蔵庫はワイヤーやベルトなどで壁に固定する
以上が家具転倒防止対策チェックで紹介された対策方法だ。ポイントは、家具をきちんと壁に固定するということ。前述のとおり、高層階では揺れの幅がおおきくなるため、思いもよらないところで被害が発生しうる。事前に対策をしておくことも、社員の命を守る上では非常に重要となる。
防災グッズを用意するポイントは「衣食住」
東日本大震災から11日で4年が経過した。復興の様子を上空から俯瞰してみることで、よりその全体が把握できるかもしれない。巻き網漁船が打ちあげられたことでも知られる宮城県気仙沼市の復興の様子をマルチコプターで撮影した。
気仙沼内湾地区の空撮
気仙沼市の内湾地区は、気仙沼の海の玄関口である。震災以前から魚市場や商業施設が立ち並ぶ観光スポットであったが、東日本大震災の大津波で約4~5メートルの津波に襲われた。現在は気仙沼魚市場、魚市場隣接の観光施設「海の市」(うみのいち)も復旧している。
鹿折地区は、住宅地、加工工場、鉄鋼場等が密集するエリアであった。東日本大震災において、津波と火災に襲われたのがこの場所であり、巻き網漁船「第18共徳丸」が打ちあげられたのもこの地区である。JR鹿折唐桑(ししおりかわくら)駅からもその様子が望めたが、現在は解体され、全長約60メートルのその船の姿はない。震災後、公園、産業エリア、住宅地等のエリア分けをする計画もあり、地域全体をかさ上げしている。
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リージャスは9日、「働き方」に関する調査結果を発表した。調査期間は2014年7月、対象は世界100カ国の経営者及び経営幹部ら2万2,320名。
職場でストレスを感じるようになったか(画像はイメージ)
「5年前と比べて職場でストレスを感じるようになったか」という問いに対し、全体の53%か「感じる」と回答。
国別に見ると、ストレスを感じている割合が最も高いのは「中国」(78%)。以下「サウジアラビア」(64%)、「ベルギー」(62%)、「アメリカ」「日本」(共に57%)、「メキシコ」(53%)が続いた。
日本の回答者がストレスを感じる理由は「人手が足りない」(24%)、「雇用が不安定」(20%)、「自身の能力不足」(16%)が上位3位。ストレス解消の方法では、74%が「いつもと異なる場所で仕事をする」と答えた。
(※画像は本文とは関係ありません)