2月9日にアメリカ・メンフィスで開幕した「メンフィス・オープン」(ATP250/室内ハードコート)。
日曜日に行われた決勝で、錦織圭(日清食品)がケビン・アンダーソン(南アフリカ)を6-4 6-4で下して大会3連覇を果たした。
今大会は過去にビヨン・ボルグ(スウェーデン)、ジミー・コナーズ(アメリカ)、ジョン・マッケンロー(アメリカ)、ピート・サンプラス(アメリカ)、マイケル・チャン(アメリカ)、アンディ・ロディック(アメリカ)などのビッグネームたちが優勝者に名を連ねるが、錦織は大会史上で初となる3連覇を達成した選手となった。
「まだ誰もやったことがないというのは特別な気分」と錦織。「でも、僕はこのままさらによくなっていかないといけない。できればこのままの調子でいきたい」とも付け加えている。
錦織はこれで今大会での戦績を13勝1敗に伸ばした。これまでにコナーズ、トミー・ハース(ドイツ)、トッド・マーティン(アメリカ)が3連覇に挑んだがいずれも失敗していた。通算の優勝回数ではコナーズがまだ上回るが、3度目の優勝はハースとロディックに並ぶ数字だ。
錦織は世界5位。昨年の楽天オープン以来となる8度目のATPツアー優勝だ。右手首には痛みを抱え、左足のマメを潰している状態の錦織だったが、第2シードのアンダーソンとの決勝はわずか76分で終わらせた。
ダブルスではマリウス・フィネステンブルク(ポーランド)とサンティアゴ・ゴンサレス(メキシコ)のペアが、アルテム・シタック(ニュージーランド)とドナルド・ヤング(アメリカ)のペアを5-7 7-6(1) [10-8]で下して優勝している。
錦織は昨年の全米オープンで準優勝。今季の戦績は10勝2敗だ。
「去年と今季は素晴らしいスタートが切れていると思う。今は3連覇できてとてもうれしい」と錦織は言う。
ハースは2006年と07年に優勝したが、08年大会では2回戦で敗れた。マーティンは1994年と95年に優勝したが、96年にはピート・サンプラス(アメリカ)に敗れている。コナーズは1980年の決勝でマッケンローに敗れ、86年の2度目の3連覇のチャンスでは準々決勝でブラッド・ギルバート(アメリカ)に敗れていた。 また、錦織にとって同一大会での3連覇もこの大会が初だ。彼はこの決勝で得意のジャンピングショットを見せるなど、大会では最高のプレーをやってのけた。…「ベースラインから本当にソリッドなプレーができた。リターンがとてもよかったし、特に、相手のセカンドサービスのときにはいいプレーができていたと思う」と錦織。「何でもできる感じだった。それが2度ブレークできた理由だと思う」。
一方、アンダーソンはこれでATPツアーの決勝では6連敗となった。最後の優勝は2012年のデルレイビーチとなっている。彼は錦織と普段からよく練習をともにするという。今週もいっしょに練習をしていた。アンダーソンは錦織はベースラインからよりアグレッシブにプレーしてきたと話し、より多くのボールを拾ってきたとも話している。
強烈なサービスを武器にするアンダーソンだが、トッブ5相手の戦績はこれで7勝14敗となった。
「目が覚めた感じだよ。テニスのレベルについて確実にね。これでまたモティベーションを得られたし、信念や確実性が必要なのもわかった」とアンダーソン。「もう少し時間が必要だけれどね」。
錦織は第1セットではブレークに成功して5-4とし、38分で取って先行。今大会では第1セットでは調子が出なかった錦織だったが、決勝では素早い出足を見せた。
「彼は簡単な試合にしてくれなかった。僕が彼に自信を与えてしまったんだと思う」とアンダーソン。「彼は本当にソリッドな試合をしてきた。僕は2つほど本当にだらしないゲームをやってしまったんだ。特に第1セットでね」。
錦織はバックハンドのパッシングショットでアンダーソンを抜き、第2セットで先にブレークして3-2とリードすると、そのまま押しきった。第10ゲームではアンダーソンもデュースまで持ち込んだが、最後はアンダーソンの打ったフォアがワイドに外れ、4度目のチャンピオンシップ・ポイントをモノにした錦織の優勝が決まった。(C)AP
※写真は全豪オープンでの錦織Photo:MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 26: Kei Nishikori of Japan plays a backhand in his fourth round match against David Ferrer of Spain during day eight of the 2015 Australian Open at Melbourne Park on January 26, 2015 in Melbourne, Australia. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)