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イーストってパンにいれるあのイースト?
バラの香水とイースト、まったく接点を感じませんがどんな関係にあるのでしょう。ボストンのGingko BioWorksという会社と、フランスの香水会社Robertetが提携して作り出すのは、遺伝子組み換えのイーストから作るローズオイルを使った香水。
なんで、わざわざイーストからバラのオイルを? その目的は、バラの香りのソースを、予測不可能な供給資源から切り離したいというのがあります。ネタ元のNew Scientistで、従来のローズオイルの抽出過程を説明しており、ブルガリア又はトルコで栽培されるバラを手摘みし、そこからアロマオイルを抽出するという方法は香水会社にとっては不安定だと解説。毎年品質も価格も大きく変わる生のバラという資源は、香水作りにとっては大きな問題となるわけです。これが、花を使うことなく、イーストからバラのオイルを抽出できるとなれば、確かに夢の安定供給。
現在、香水業界は、石油化学製品から作るローズオイルの代替品にもトライしていますが、これだと本物と比べて深みがないとプロは指摘します。だからこそ、このイーストは香水業界の希望の可能性であります。もちろん単純な話ではありませんけれど。イーストの細胞の中にローズオイルを作り出せるよう、イーストの細胞を作り変える必要があります。バラという香りは、複数の異なる要素を混ぜ合わせて生まれるもの。これを再現するためには数種類の酵素が必要になります。しかし、バラの酵素が、イーストの中で同じ働きをし、同じ香りを生み出すとは限りません。バラの香りを再現するだけでなく、イースト特有のどこか酸っぱいような香りを消すことも問題の1つ。科学者たちの、トライアンドエラーはまだまだ続きます。
今のところ、Gingkoの作る「バラの香り」は、花の匂いに近づきつつあり、植物的な雰囲気までは再現できているといいます。New Scientist曰く、バラの香り再現の一環として永久凍土層にある氷河期の花のDNAサンプルまで探しているとかなんとか。さすれば、いつかただのバラの香水ではなく、氷河期のバラ香水が出来る日も…。
image by Sofiaworld/Shutterstock
source: New Scientist
Sarah Zhang – Gizmodo US[原文]
(そうこ)
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