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東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、1号機原子炉でメルトダウン(炉心溶解)によって溶けた核燃料を把握するために東電が宇宙線「ミュー粒子」を利用して内部調査した結果、原子炉内の核燃料がほとんど溶け落ちていることを確認したと19日発表した。燃料溶解を調査で確認したのは今回が初めて。
この調査は国際廃炉研究開発機構(IRID)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)が先月12日から今月10日にかけて行ったもので、東電が事前に解析していた原子炉・格納容器内部の状態を裏付けるもの。
「ミュー粒子」は宇宙から降り注ぐ宇宙線が地球の大気に衝突して生じる素粒子の1つ。物質を通り抜ける透過力が強いが、ウランなど高密度の物質にぶつかると吸収されたり、進む方向を変えたりする性質があるため、レントゲンのように火山の内部を観測する際などに利用されている。
IRIDとKEKの研究チームは、ミュー粒子を利用した測定装置2台を、原子炉建屋脇に設置し、核燃料の位置や分布を調べた結果、厚さ1メートルほどの圧力容器の構造物などは撮影できたが、炉心の位置に核燃料の塊は確認できなかった。
溶け落ちた核燃料が溜まっているとみられる容器の底の部分は今回の装置では観測できなかった。東電は「核燃料の位置を正確に把握することで、確実な廃炉作業を進めていく」として、4月以降は、格納容器底部に遠隔操作で撮影できるロボットを投入し、燃料のある場所の特定を進めるとしている。