(台中 25日 中央社)創業以来65年の歴史を誇る台中市の老舗豆干店「一心豆干」が1月末に休業していたことが24日、分かった。同店によると、規定量を上回る防腐剤使用の発覚と、後継者不足の問題が休業の理由だという。
先月28日、台中市衛生局による検査で同社の5製品から基準以上の防腐剤の添加が見つかり、不合格となっていた。
休業の理由について同店は、食品を巡る環境の悪化に触れ、政府の食の安全に対する取り組みを問題視した上で、65年間ただ一つの製法で作ってきたため、防腐剤の規定により製造できなくなったと苦しい現状を語った。また、跡継ぎがいないことも理由の一つだとした。いつ営業を再開するかは決まっていないという。
昔から同店の味に親しんできたという顧客は、突然の休業に対し、「台中市民の思い出の味を無くさないでほしい」と早期の営業再開を願った。
豆干を巡って台湾では昨年12月、複数の企業で製造されている製品に発ガン物質とされ、台湾での使用が禁止されている化学物質「メチルエロー」が添加されていることが発覚する騒ぎが起きていた。
豆干とは、豆腐を固く絞り、乾燥させて作ったもので、おやつやつまみとしてよく食べられている。
(廖王楷、郝雪卿/編集:名切千絵)(台北市 25日 中央社)台南市の頼清徳市長は24日、台湾の原住民(先住民)の一つとされる「シラヤ族」の政府公認を求める訴状を、同族の関係者22人とともに台北高等行政法院(裁判所)に提出した。
訴状は、シラヤ族の認定申請を却下した原住民族委員会(省レベル)の決定を撤回させ、同族を台湾の原住民として正式承認するよう求めるもの。頼氏らは昨年11月、行政院(内閣)に対して不服申立てを行っていたが、同12月に却下されていた。
シラヤ族は台湾西部の平地を中心に生活する原住民「平埔族」の一つとして知られている。現在は台南市が「市定原住民」として認めているが、政府が定める「台湾原住民」には認定されておらず、一部は基本的人権を求めて公認を訴えている。
また、頼氏は自身が所属する民進党に対し、シラヤ族の公認を来年行われる総統選挙の公約に入れるよう求めた。
(劉世怡/編集:杉野浩司)