[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
【チュニス宮川裕章】チュニジアのカイドセブシ大統領は、21日付仏パリマッチ誌(電子版)のインタビューに応じ、国立博物館襲撃事件について、警察と情報機関に「大きな機能不全があった」と述べ、テロ対策や警備体制などに不備があったことを認めた。
カイドセブシ氏は、実行犯2人を射殺した特殊部隊について「極めて効率よく速やかに対応し、(実行犯が所持していた)爆弾でさらに死亡者が出るのを防いだ」と評価する一方、「それ以前の問題として、博物館の警備について警察と情報機関は十分組織的に動けなかった」と語った。
博物館や隣接する国会議事堂の警備を担当する警察官が、事件発生当時、カフェでくつろぐなど警備を行っていなかったとの批判が出ていることなどを念頭に置いた発言とみられる。そのうえで、フランスやデンマークでのテロ事件後にチュニジアでテロが起きたことについて、「明らかに警戒が不十分だった」と総括した。
チュニジアで過激派が勢力を強めているとの指摘について、世俗政党出身のカイドセブシ氏は「近年、特に(イスラム政党が主導した)イスラム政権時代の治安対策の緩みとともに、若者を取り巻く経済、社会的な状況が困難で、過激派が職のない若者を勧誘している」と分析。イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)を含む「シリア、イラクなどの過激派勢力に4000人が参加し、すでに500人が帰国している」と述べ、自国民が実行するホームグロウン・テロの可能性に懸念を示した。さらに「チュニジアは民主主義の拠点としてとどまるが、その拠点はもはや平和的な拠点ではない」と述べ、過激派の伸長に危機感を示すとともに、過激派に屈しない強い姿勢を強調した。
治安回復の解決策として「国民が希望を見いだせば、過激派勢力は排除される」と、経済の再建を優先課題に挙げた。また、「過激派は(イスラム教が成立した)7世紀の世界を目指しているが、私たちは21世紀の世界を望む」と語り、「イスラム過激派はすでに失敗しており、チュニジアは決してシャリア(イスラム法)に支配されない」と述べた。