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【ソウル澤田克己】米国のマーク・リッパート駐韓大使が5日、ソウル都心の朝食会で男にナイフで襲われる事件が起き、韓国で対米関係への悪影響を懸念する声が出ている。韓国ではここ数日、日中韓の対立に苦言を呈したシャーマン米国務次官への抗議集会などが行われていたこともあり、懸念を増幅させているようだ。
韓国メディアによると、大使は右頬に長さ11センチ、深さ3センチの傷を負い、ソウル市内の病院で顔だけで約80針の縫合手術を受けた。数日間は入院するという。凶器は全長25センチの果物ナイフだった。
現場で取り押さえられた男は、南北融和を重視する活動家(54)。警察の調べに「南北和解の妨げになる軍事演習に抗議するため、一人でやった」と話した。韓国では2日から米韓合同演習が行われており、北朝鮮が反発している。
事件を受け、与党セヌリ党の劉承?(ユ・スンミン)院内代表は党内の会議で「韓米関係に深刻な影響を与えないか心配だ」と語った。韓国の外交専門家の間からも「米国の一部で嫌韓感情を増幅するのでは」との懸念が出ている。
韓国外務省報道官は定例会見で米韓関係への影響を聞かれ、「(両国とも)今回の事件で韓米同盟に悪影響はないと見ている」と強調。外務省はその後、中東訪問中の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が大使を電話で見舞うとともに、米韓関係の重要性を改めて確認したと発表した。
一方、シャーマン次官の発言が問題になっている中で、大使の警備態勢に問題があったのではないかとの指摘も出ている。
男は2010年、ソウル市内で講演した重家俊範駐韓大使(当時)に石を投げつけて有罪判決を受けた。最近は対米非難に活動の重心を移していたといい、現場でも、男に気付いた係員が会場の外に連れ出そうとしたものの、間に合わなかったという。