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大阪市こども相談センター(児相)によると、市が2013年度に一時保護したのは1409人で、08年の2・7倍。うち虐待が理由だったのは722人で、08年の3・7倍に上る。
一時保護所は14年4月に増設され2か所(定員計100人)になったが、常にいっぱいの状態。市は施設などへの委託もしているが、急に一時保護した場合など受け入れ先を探すのに苦労しているという。市は一時保護所をさらに1か所増やす方針だが、場所も時期も決まっていない。
一般家庭への委託は全国でも例がなかったが、厚生労働省の通知では否定されていない。このため市は12年11月から里親らに協力を求め、口コミで一般家庭の委託先を探し始めた。
同センターの職員が、里親から推薦された家庭を訪問。家にスペースがあるか、子育て経験や家族全員の同意があるか、などを調査し、所長が採用を判断。14年末までに大阪、堺両市に住む63世帯が委託先として登録された。これまで目立ったトラブルはないという。
うち15世帯はその後、里親になった。津崎哲郎・花園大特任教授(児童福祉論)は「里親に関心がある家庭にとって、いいきっかけになる。一時保護を里親へのステップとして活用し、支援制度の整備も進めるべきだ」と評価する。
研修なく懸念も 一方、里親になる場合、児童福祉施設での実習など計6日間の研修を受ける義務があるが、一般家庭に対する研修制度は整っていない。西沢哲・山梨県立大教授(臨床福祉学)は「心の傷を抱えた子供たちは短い間でも様々な問題行動を起こす。研修も受けていない家庭がいきなり受け入れても常に適切な対応ができるとは思えない。里親や施設など本来の受け皿を早く十分に用意するべきだ」と指摘している。
一時保護 児童福祉法に基づき、虐待や家出、非行などを理由に、18歳未満の子供を、児童相談所が原則2か月まで保護者から引き離す緊急の処分。児相内の一時保護所で預かるほか、児童養護施設や乳児院、里親などにも委託できる。その間に、児相が調査し、保護者の元に帰すか、施設や里親などに預けるかを決める。