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◇市民団体 「オセッカイスト」育成
◇県 不便解消へ多言語案内板
2020年の東京五輪・パラリンピック開催による訪日外国人の増加を見据え、県内でも外国人観光客を呼び込む取り組みが進んでいる。市民グループは外国人向け観光を企画、県もインターネット環境などハード整備費を2015年度当初予算案に計上するなど、官民一体で誘客に力を注いでいる。(菊池真司)
昨年、来日した外国人旅行者数は約1340万人で、初めて1300万人を超えた。一方、観光庁の調査では、2013年の県内の外国人延べ宿泊者数は約2万5000人。全国では、島根県(約1万9000人)に次ぎ、2番目に少なかった。県観光政策課の担当者は「海外からの直行の航空便がないのに加え、大都市に比べ、案内表示の多言語化などのインフラが整っておらず、『来にくさ』もあるのでは」と分析する。
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県民の世話好きな気質を生かし、外国人観光客の受け入れ増加を目指す市民グループ「高知おせっかい協会」は、外国人を観光地に案内したり、通訳ボランティアを行ったりする「オセッカイスト」の育成を目指している。
2月22日には、高知市内で外国人観光客をもてなすプランを考える初の会合を開いた。「オセッカイスト」に関心のある20~50歳代の男女約20人が、カツオのわら焼きたたきや土佐あかうしのステーキなど、外国人観光客への提供を想定した特産メニューの試食や茶の湯を体験。参加者からは、「実際にたたきを作る体験もプランの中に組み込んでみては」などの意見が出た。
24日には研修を行い、県在住の外国人を相手に、英語での接客方法を学んだ。
協会では、高知市内17の飲食店の協力を得て、英語版メニューを作成。2月末現在、オセッカイスト候補として市内の飲食店主ら18人が登録した。
今後は県在住の外国人から意見を聞き、企画を具体化。旅行会社と連携して、今夏、オセッカイストの案内で外国人観光客が県内各地を巡るツアーの事業化を目指す。
同協会の田村樹志雄・共同代表は「都心部への旅だけでは飽き足らない『リピーター』を狙って、高知でしかできないこと、食べられない物を盛り込んだプランを提供していきたい」と意気込む。
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県は、県内の外国人延べ宿泊者数を15年度、3万2000人に増やすことを目標に、15年度当初予算案で、観光案内板の多言語化やインターネットの無線通信環境の整備などに3400万円を計上した。県や観光団体などでつくる「おもてなし県民会議」に専門部会を新設し、受け入れ態勢強化に本腰を入れた。
県観光政策課の担当者は「外国人客が不便に思わず、快適に旅を楽しめる環境作りを急ぎたい」としている。