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「新幹線開業翌日に、石川県にとびっきりの『かがやき』を運んでくれた。次は世界陸上で輝いて」――。全日本競歩能美大会男子20キロの部で鈴木雄介選手(27)が世界新記録で優勝し、県内の関係者からも喜びの声が上がった。
日本陸上競技連盟によると、日本人が競歩で世界新記録を樹立したのは初めて。日本人が陸上競技の五輪種目で世界新記録を更新したのは2001年の高橋尚子さん以来14年ぶりで、男子では1965年のマラソンの重松森雄さん以来50年ぶりとなる。
レースは序盤から鈴木選手の独走状態。1周2キロを7分30~50秒台というハイペースを維持し、2位に2分32秒の大差をつけ、1時間16分36秒でゴールした。
競歩を始めたのは辰口中学校時代。「新人が出られる種目がなく仕方なく出場した」陸上部入部直後の地区大会で上位に入り、翌年、競歩に本格的に転向した。
初めて五輪に出場した2012年のロンドン五輪の20キロ競歩では、直前に左ひざを故障し、36位に終わった。その後、「体を力まず動かす」ことを心掛け、伸びやかなフォームに修正。「トップスピードを後半まで維持できるようになった」(鈴木選手)という。
鈴木選手は大会後、「日本記録を目指していたのに、すごい記録が出て自分でもビックリ。ゴールした時、沿道から多くの素晴らしい声援を送ってくれて感動した」と笑顔を見せた。報道陣から前日の新幹線開業について問われると、「新幹線開業で盛り上がる石川に、自分の新記録でより注目が集まってくれるとうれしい。石川では能美と輪島で競歩の全国大会が開かれているので、新幹線でぜひ応援にきてほしい」と語った。
家族や友人も応援に駆けつけ、興奮した様子で快挙を祝福していた。母の恵子さん(59)は「雄介が能美に『かがやき』を運んでくれた。全日本選手権では金メダルを獲得してきたので、今度こそ世界陸上やオリンピックで金メダルを手にして世界でも輝いてほしい」とエール。父の裕文さん(64)は「3年前の五輪からずっと練習してきた成果が出たのだろう。けがに気をつけて頑張ってほしい」と語った。
14日に陸上部OBで集まったといい、小松高校陸上部で1学年先輩だった岡崎浩樹さん(28)は「先輩をからかったりお調子者なのは変わらない。陽気な性格だからこそ出せた世界新なのかな」と話した。
今回の優勝で、鈴木選手は8月に北京で開催される世界陸上選手権への出場が確実視される。「記録が素晴らしくても試合で負けることもある。まずはけがをしないよう調整し、世界陸上でも金メダルを狙います」。鈴木選手は力強く抱負を語った。