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高校のとき、文通していた女の子がいました。好きだったと思います。
あまりファッションとかに興味のない、よく言えば純朴な感じの文学少女。まあ、男子校の文芸部所属の冴えない男と付き合ってくれるような相手なので、そこらへんは推して知るべし。でも僕は彼女のノーメイクでこざっぱりしたメガネ顔が、愛嬌があって気に入っていました。
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受験の忙しいさなか、学校の違う僕たちは週3ぐらいで長い手紙を送り合っていました。ああ、若い子に伝えたくもないが、そのころはLINEどころかメールどころか、携帯電話さえなかったんだよ。
そして、卒業。
晴れて二人とも都内の大学に合格し、それぞれの新生活を始め、文通のペースはがくっと落ちてました。大学生になっての初デートは、渋谷。
彼女は、コンタクトに変えていました。それどころか、潤い系のリップと、濃い目のチークを塗っていて、イメチェンを狙っていました。
まったく似合っていませんでした。
戸惑いました。いま思えば、一生ノーメイクのままでいられるわけもなく、ここから研究して練習して、さらに美しくなるための輝かしいスタートだったのだから、静かに応援していればよかった。
でも、当時の僕はそれをほめる優しさも、あえて口にする勇気も持っていませんでした。
おかしな態度だったと思います。たぶん、感じた違和感がそのまま態度に現れて、そっけない対応になっていました。
その日、「ササキくん、なんか変わったね……」と言うひとことを残して、彼女は僕の人生から去って行きました。
……なんて、中年の感傷など参照にするまでもなく、今年も「卒業」という儀式が、恋の終わりをつぎつぎと生産しているようです。
「卒業にまつわるもやもやする恋愛エピソード」をいただき、そのもやもやした思いを短歌にして発散させようというこのコーナー、今週は、リアルタイムに進行している恋の話ばかりが届きました。
ではさっそく。
■好きな先生を先輩にとられそうです
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さわきちさん(東京都)
エピソード:
わたしはある先生のことが好きなのですが、今年卒業する先輩にもその先生のことを好きな人がいて、卒業してから関係が始まってしまわないかと不安で仕方ありません。
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○あたしより先に卒業するからとあの先生を奪ったりしないで
わー! なんて高校生っぽい高校生活を送ってるんだ。うらやましい。
「先生だからそんなことしないよ」とはけっして言えないのが現実。周囲の話をこぼれ聞くに、生徒と気軽に寝てしまう先生や、気軽ではないけれどいろいろあって元教え子と結婚している先生などは結構いるようです。
その先輩もあなたも同時に好きだということは、世界中で二人にしか好かれないタイプの先生というよりはたくさんの女子生徒に憧れられるタイプの先生だと考えたほうが自然でしょうから、その上の学年にもさらにその上の学年にも、同じような生徒がいっぱいいたと思いますよ。
他の卒業生と比べて、その先輩はとりたてて可愛い子ですか? アイドル並みに。
そうでなければ、入れ食い状態にある先生がわざわざその先輩のためにリスクを犯すとは考えにくいので、心配しなくて大丈夫だと思います。
(まあ、この理屈は残念ながらあなたとにとっても高いハードルがあることを示してしまったいるわけですが。)
ま、いずれにせよ、モテ慣れてる先生です。恋愛経験の少ない女子高生ばかりが相手となれば、なおさら「またこのパターンか」ぐらいにしか思ってないはずなので、あまり真剣にならずにおくのがお互いのためかと思います。
僕も専門学校の講師を長くしていましたので、ときどき告白されたりはしていました。その経験から、先生に好かれる秘訣を3つ、お教えしておきますね。
・授業を興味深く聞き、ノートを熱心にとる
・自分の将来の夢をちゃんと持っていて、口にできる
・好奇心が旺盛
ぜひ実践してみてください。あ、偶然ですが、これはあなたのこの先の人生がうまくいく秘訣でもあります。まあ、どんな結果になっても、一生に一度の高校生活を楽しんでください。
○先生に恋をしていた三年を過去にする日に渡される筒
■5年間、両想いだと思ってたら片想いでした
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さとこさん(埼玉県)
エピソード:
5年続いた「片想い」が終わりました。
彼は大学院生で、私は今は社会人です。大学時代はほとんど彼一人に費やしました。
片想いというか、もう付き合っていると思っていました。誕生日もバレンタインも毎年プレゼントを贈りあったし、お互いから深夜に電話しあったり。周りにも付き合ってると思われていました。
ところが、彼の卒業を機に告白したところ
「恋愛感情はない」ときっぱり。
わかりません! 納得できません!
さっき私が渡した就職祝いのネクタイを受け取って、あんなにうれしそうにしてたじゃない!
彼の言い分は、
「俺は付き合うとか結婚するとか、もう表面的なものでいいんだよ。理解してくれる人がいいと思ってなくて。結婚するとしたらお見合いでしかできないと思う」
私が「じゃあ今までの関係はどういうつもりだったの?」と聞くと、「それは……依存しちゃってたんだと思う」と彼。
……依存してしまうくらい私が必要ならいいじゃない、付き合ってくれたって! 依存しててよ!
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○本当は泣き喚きたい困らせたい 彼女じゃないからやらないけどね
まだ間に合うと思うから、今すぐ関係を元に戻して!
恋愛感情なんて、その関係の中で頻繁に濃くなったり薄くなったりするものです。ふとしたときについ職場の同僚と寝てしまったり、夫婦がセックスレスになったりするのも「恋愛感情」の濃淡で、それと「男女として付き合う」のは別の話です。
彼が「恋愛感情はない」と即答できたということは、裏を返せば、一瞬でもそういう気持ちが生まれたり、そうなる可能性を検討したりしたことはあったから。そして、そういう迷いの中で、結果的に5年間「恋人じゃない信頼関係」を二人で築いてしまったのだから、そこからいきなり「恋人関係」に移行するのは無理でしょう。
あなたがまだ好きである以上、彼もあなたのことをいちばんの理解者だと思っている以上、きっぱり別れるなんてかっこよすぎます。そのかっこよさのしわ寄せは、あなたと付き合う次の男の子や、彼と付き合う次の女の子にきます。ドラマなら脇役になる彼らも、現実のそれぞれの人生では主人公なんですから、別の人への恋心を忘れるために利用してはいけません。
恋愛感情のない恋人同士だって、いいじゃないですか。友達みたいなカップルなんていっぱいいるし、関係性なんて二人の間で決めればいいんですよ。
「今までどおりでいいから、他に好きな人ができるまでは付き合っててほしい」ぐらいの妥協案を提示してみては。そこらへんから、彼の恋愛観の成長を待ちましょう。
「この関係、自分が損してるな」と思えてきたころがあきらめどきだと思います。
○それぞれの恋 それぞれの恋心 泣きわめくのも恋だとおもう
■引き続き「卒業」をテーマに募集!
というわけで、今回は「思い出」というよりもリアルタイムな恋愛相談になってしまいました。
タイムリーな時期に募集をすると生々しい投稿が集まるということがわかって、ドキドキしています。
Text/佐々木あらら