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学生と社会人のコラボレーション。これまでは縦割りなものが多かったが…
学生の柔軟なアイディアと、企業が持つプロのノウハウをコラボさせる、いわゆる「産学連携」のプロジェクト。現在、神奈川県で進められているのは横浜国立大学大学院の建築都市デザインスクールY-GSAと、リノベーションや不動産仲介事業を主とする株式会社NENGO、そして住宅の分譲や仲介など総合不動産会社のリスト株式会社の三者によるものだ。
HOME’S PRESSでは、これまでにもいくつか産学連携プロジェクトを紹介してきた。その多くは、企業が提供する物件に、若い人が好むような内装デザインや設計を学生が企画して施すものだった。プロジェクトの中ではそれぞれの専門分野によって役割が分かれており、どちらかというと縦割りな仕組みのものが多かったように思う。
一方で今回は、「賃貸物件のリノベーションを通した地域活性化」をテーマに、リノベーションのコンセプトを決めるところから、社会人と学生がチームを組み意見交換をして進めていくという方式だ。
社会人と学生がスケジュールを合わせるだけでも大変そうだが、日中は通常業務や授業をこなしながら、夜の時間や休日を利用して集合し、打合せを重ねているという。その様子を取材した。
スペックではなく、「コミュニティ」のリノベーション
横浜国立大学大学院のY-GSAは、建築都市文化専攻のコース。工学や芸術学の分野ではなく、「都市」を学領域とした建築を学ぶ学生と住宅のプロが企画する、「地域活性化」が目的の賃貸物件リノベーションとはどのようなものなのだろうか?
今回、リノベーションするのはリスト所有の2物件で、空室もあれば居住中の部屋もある、稼働中の集合住宅だ。リノベーションのコンセプトは、それぞれ以下のように定義された。
① コットンハウス
築26年の、1Kを中心とした単身向けマンション。コミュニティを表す「村」、多様性を表す「ムラ」など複数の意味をもたせた「mura」がコンセプトだ。
1Kの2部屋を改装で合体させ、LDK+2部屋のシェアハウスのような居室をつくる他、「建物全体のリビングスペース」と位置づけた共用空間を設けるリノベーションをする。縦横・上下左右の住人同士が行き交い、コミュニケーションが活発になるようなプランニングだ。住まい方の多様性を大切にしつつ、入居者みんなの頼れる存在として「村長」を入居者から決める予定だといい、「物件の中での交流だけでなく、地域とも繋がれる人に入居してほしい」と、リスト株式会社の白武泰三氏は話す。…