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頭痛、肩こり、胃もたれ…。原因不明の体の不調はなぜ起きるのか。アエラ編集長が受けて分かった原因とは?
アエラ編集長の浜田敬子は、いつになく弱気だった。実は8年ほど前から胃腸の調子がすぐれず、ことに月曜の朝がつらい。2年前にはひどい頭痛に悩まされたこともある。胃カメラやMRIの検査を受けても、異常は見つからなかった。40代後半になれば、そろそろ更年期?それとも仕事上のストレスが原因だろうか…。
浜田が駆け込んだのは、東京・千駄木の日本医科大学健診医療センター。昨年10月、同大特任教授で心療内科医の海原純子さんが開設した「ストレス予防ドック」だ。大学病院初の“心の人間ドック”として話題になり、数カ月先まで予約で埋まるほど注目されている。
当日、同センターの健診外来へ行くと、かなり大量の問診票を手渡された。続いて、5種類の心理テストがある。人間関係や環境から、日常生活や人生についての満足度、家族や友人・同僚に対する感じ方まで、設問は幅広い。記入後、診察室に呼ばれると、海原さんから説明を受けた。
「最初に記入していただいたのは心の疲労度を知る検査で、16点以上になると心に疲れがたまってうつっぽくなります。でも、それが5点なので、うつには陥っていないですね」
ええ?では、この不調はいったいなぜなのか…。続けて海原さんは「感情」の状態について説明してくれた。
心の中には緊張や不安、抑うつ、怒り、活気、疲労、混乱などの感情があり、いずれも危険ゾーンに達すると要注意。浜田の場合はこんな診断が下された。
「活気が十分あって、不安やゆううつ感などはないけれど、怒りがかなりたまっています」
神妙な表情でうなずく当人も怒りの感情をうまくコントロールできないことを自覚していた。電話が鳴ってもだれもとらなかったり、やる気の感じられない部員を見たりすると、ついカッとなってしまう。
海原さんによると、怒りの感情には理由があり、それは「性格傾向」の分析から見えてくる。
浜田の特徴は、理想を追求し、責任感が強い傾向をもち、優しくて面倒見もいい。つまり、成果の上がらない部下がいると何とかしてやろうと思うのだが、理想と現実とのギャップの中で葛藤が起き、怒りが込み上げるようなのだ。
「怒りがこれだけ強いと、体に出てくる可能性もありますね」
※AERA 2015年3月23日号より抜粋