[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
リクルートが2012年10月1日に持株会社制に移行したのは記憶に新しいだろう。そのグループのテクノロジー事業会社として、宿泊予約サイト「じゃらんnet」や住宅情報サイト「SUUMO」などリクルートの各種サービスのシステム基盤を開発、運用するのがリクルートテクノロジーズだ。
事業の特性上、同社はエンジニア社員を多数抱えており、さまざまな業界からの経験者採用に積極的である。「ITで勝つ」ことを経営方針に定め、優秀なエンジニアを増やすことを最優先としている。具体的には、中尾隆一郎社長が就任した2013年4月から約2年間でエンジニア数を倍の約400人にすることを決めた。
そこで問題となったのが、マネジャーなど管理職の不足である。当時は社員に加えて、外部パートナースタッフが多かったため、社員が倍になったらマネジャーの数は倍以上にしなければならなかったという。
ところが、中尾氏が社員にヒアリングしたところ、あまり積極的にはマネジャーにはなりたくないという意見が多かった。大部分は「変化の激しいIT業界なので現場でエンジニア力を高めていきたい」という理由だったが、話をしていく中でキャリアアップのためにはマネジメント力も身に付けたいと思う社員も出てきた。一方で、「管理をするだけでつまらない仕事だ」「経験がないからできない」という消極的な声もあった。
それに対し、「マネジメントもエンジニアリングと同じくスキルだ。学べばできるようになる」と中尾氏は応じる。スキルとは「人の管理」と「仕事の管理」の2つ。人の管理は、構成メンバーをやる気にさせるエンパワーメントのスキルで、仕事の管理とは、仕事をきちんと進めるプロジェクトマネジメントスキルだとする。
この2つのスキルをエンジニアに身に付けてもらい、マネジャーに育成すべくスタートしたのが、中尾氏自らがトレーナーを務める社内向けマネジメント研修「中尾塾」である。
●スーモカウンターでの経験
実は中尾塾はこれが初めてではない。以前、住宅領域の新規事業として、新築マンション探しと注文住宅選びの無料相談所「スーモカウンター」の推進室室長を務めていたときに同様の取り組みを行っていた。
そこでは店舗で顧客と接するアドバイザーが対象で、やはり店長などのマネジメント職に就きたがらないという課題があった。しかし中尾塾を通じて、「マネジメントが嫌だと言っていたアドバイザーが優秀な店長になり、その上の管理職までになった」(中尾氏)。…