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バットの名工、麺棒で第二の人生

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バットの名工、麺棒で第二の人生

 バットの名工、麺棒で第二の人生

 イチロー選手や松井秀喜さんらのバット作りを手がけ、名人と呼ばれた久保田五十一(いそかず)さん(71)(岐阜県養老町)が、そば店で第二の人生を歩んでいる。

  養老町の工場で製作に励んでいた当時、バットには適さず処分するしかない木材を「何か有効に使わせていただかないと木に失礼だ」と考えていた。ひらめいたのが、麺棒だったという。長さ90センチ、直径3センチの円柱を正確に削り出すのは「バットとはまた違って想像以上に難しかった」。それでも「現代の名工」に選ばれた技術を駆使し、表面を滑らかに仕上げた麺棒は料理人にも好評だった。

  そうした縁もあり、2012年秋に、いとこの山口道雄さん(65)と滋賀県甲賀市の信楽高原鉄道信楽駅前で、そば店「山久(さんきゅう)」を開いた。久保田さんの麺棒で山口さんがそばを打ち、久保田さんはゆでと具材の調理を担当。バット作りからは昨春で完全に引退した久保田さんは「おいしいと言ってもらえるのがやりがい」と笑みを浮かべた。

  営業は金、土、日曜と祝日の午前11時~午後3時。(田上幸広)

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