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信用金庫、預金と貸出金増加も利ざやは縮小傾向 金融緩和は追い風にならず

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信用金庫、預金と貸出金増加も利ざやは縮小傾向 金融緩和は追い風にならず

 信用金庫、預金と貸出金増加も利ざやは縮小傾向 金融緩和は追い風にならず

 主要信用金庫の利ざやが縮小傾向にあることが判明した。金融機関同士の競争激化や低金利がその要因となっているようだ。
 
  信金中金 地域・中小企業研究所が公表している信用金庫統計によると、2014年12月の信用金庫が保有する預金残高は132兆7,510億円で前年同期より2.7%増加、貸出金は65兆5,856億円で同1.9%増加した。
 
  2014年12月の貸出金について詳しく見ると、企業向けが42兆0,731億円で前年同期比で1.8%増加、地方公共団体向けが4兆8,445億円で同5.6%増加、個人向けが18兆6,679億円で同1.3%増加。預金と融資を順調に増やしている様子が分かる。
 
  しかし、業績は必ずしも順風満帆とはならないようだ。
 
  東京商工リサーチが3月9日に発表した「主要100信用金庫総資金利ざや」調査の結果によると、主要信金の過半数で「利ざや」が縮小している実態が判明した。この調査は総資産が上位の主要100信用金庫を対象に、2014年3月期決算での「総資金利ざや」を調査。「総資金利ざや」は、「資金運用利回り」から「資金調達原価率」を減じて算出している。
 
  発表によると、主要100信用金庫の2014年3月期決算の「総資金利ざや」が、前年同期より拡大した信用金庫は40信金(構成比40%)で、縮小したのは52信金(同52.0%)だった。前年同期と同率は8信金(同8%)。
 
  「総資金利ざや」の分布を細かく見ると、「0.5%以上」が6信金(構成比6%)で前年同期より2信金増加したものの、「0.4%以上0.5%未満」が3信金(同3%)で前年同期より4信金減少、「0.3%以上0.4%未満」が11信金(同11%)で前年同期より5信金減少した。一方、「0.2%以上0.3%未満」は2信金増加して29信金(同29%)に、「0.1%以上0.2%未満」は1信金増加して28信金(同28%)に、「0.0%以上0.1%未満」は6信金増加して23信金(構成比23%)になるなど、利ざやが低率の信用金庫が増加した。逆ザヤは前年同期の2信金から減少してゼロになった。
 
  信用金庫は経費に占める人件費の割合が大きいため、低金利下でも資金調達コストが下がりづらく、預金や貸出金を増やしても収益力は簡単に上昇しないとみられている。
 
  金融緩和による低金利政策はしばらく続くことが予想され、厳しい環境は当面続きそうだ。
 
 
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