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大津波の海、向き合い続ける=「もっと救えた」、自分鼓舞-震災経験の海上保安官ら

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大津波の海、向き合い続ける=「もっと救えた」、自分鼓舞-震災経験の海上保安官ら

 大津波の海、向き合い続ける=「もっと救えた」、自分鼓舞-震災経験の海上保安官ら

  波を乗り越えた巡視船まつしま(現・おしか)のブリッジで当時の様子を話す畠山仁さん=2月25日、宮城県塩釜市

   東日本大震災から間もなく4年。あの日、大津波を乗り越えた巡視船に乗っていた海上保安官らは今も、必死の思いで救助に駆け回った海と向き合い続けている。
  宮城海上保安部の巡視船「まつしま」は、福島・相馬港で訓練中に地震に遭遇し、沖合に避難した。通信長だった畠山仁さん(59)がレーダーを見ると、陸に沿って白い線がざーっと出た。「初めて見たが、津波だと分かった」と振り返る。
  目の前に迫る約10メートルの津波は黒い壁のようで、ブリッジにいた畠山さんは一瞬不安になった。しかし、「船長をはじめ航海科はみんなベテランだったので、信頼していた」。とっさの判断で職員が撮影した動画は、インターネットで公開され、注目を集めた。
  まつしまは津波を乗り越えたが、陸地で上がる大きな白波に「大変なことになる」と直感。畠山さんらは、救助に引き返した。
  まつしまはその後、新造船に名前を譲り「おしか」と改名。畠山さんは青森に異動したが、昨年8月おしかに戻った。船長を補佐する業務管理官として今も沿岸を見守る。
 

取材に応じる機動救難士の今野昌人さん(右)と山本亮輔さん=2月26日、第2管区海上保安本部仙台航空基地

   巡視船「くりこま」の潜水士だった今野昌人さん(35)は震災後、毎日のように海に潜った。不明者を捜す家族の姿に「言葉が出ないくらい胸が締め付けられた」と語る。
  現在は仙台航空基地で、ヘリコプターに乗る「機動救難士」として働く。「あの日、もっと大勢救えたのでは…」。その悔しさを胸に、日々の厳しい訓練に励んでいる。
  海上保安庁は11日、被災地で一斉捜索を予定する。同僚の山本亮輔さん(26)は「不明者を見つけることが、家族の救いになるはず」と強調。今野さんも「われわれが先頭に立って頑張らねばならない。前を向き、下を向かずにやっていく」と力を込めた。

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