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東日本大震災により、甚大な被害を受けた東北。いまも被害により避難している方が多い街のひとつが南相馬市だが、なかにはさまざまな理由で避難していない人も大勢いる。
「南相馬の人たちの郷土愛は本当に強く、南相馬で親子代々暮らしてきたことを誇りに思い、避難しない人も多くいます」
と、お話ししてくださったのは南相馬市立中央図書館司書の高橋さん。そんな状況の南相馬市で、南相馬市立中央図書館は市民にとって癒やしの存在となっているそうだ。
震災当時、南相馬市は全市的な避難を行った。その後、徐々にではあるが全国各地での避難生活を終え南相馬市へ帰ってくる住民もいる。そうしたなかで、震災後の図書館の役割に変化が生じたという。
「南相馬市へ帰ってきたある方から、こんな言葉をいただきました。『街はすっかり変わってしまったが、図書館の明かりは変わらず灯っていた。思わず図書館に入り椅子に座ると本当にホッとした。図書館は癒やしの場所です』と。図書館が娯楽・趣味の場という役割を超えて、市民の方の心のよりどころになれたのかなと感じた瞬間でした」
一変してしまった風景のなか、変わらず往時の姿のまま佇んでいたという図書館。まるで市民の帰りを待っていたかのようだ。
そんな図書館では、「震災・原発事故コーナー」を設置し、震災を風化させないため収集した資料を展示している。
「南相馬市にとって、震災・原発資料は長期間にわたって重点的に収集していく地域資料です。いくら本や資料を集めても、市民の皆さんが効果的に利用できないのでは、宝の持ち腐れになってしまいます。資料を漏れなく展示することで、継続性を持ってその使命に応えていこうと考えています」
大切なものを失った市民に安心と癒し、勇気を与えてつづける南相馬市立中央図書館。これからも、市民の心の拠り所として明かりを灯しつづけてほしい。
●取材協力
南相馬市立中央図書館
HP:http://www.city.minamisoma.lg.jp/index.cfm/23,html