「教え子の家族に復讐を依頼された」などとして、全国の教職員２０００人以上の自宅に現金を要求する脅迫文が届いていることが分かりました。指定された送金先の住所はタイ・バンコク。そこを訪ねるとある日本人男性が意外な経緯を語りました。
　　「お前は以前教え子だったＡに酷い言葉で心を傷つけ、人格を侮辱した。Ａの家族は私たちに復讐を依頼してきた」（脅迫文より）
　
　　全国の教職員の自宅に復讐をほのめかして現金を要求する脅迫文が届いています。脅迫文は今月９日から１１日にかけて埼玉県の３３８人の教職員らの自宅に一斉に届くなど、ＪＮＮのまとめでは全国４４都道府県の２０１１人以上に届いています。脅迫文には３００万円を郵送するまで次のような復讐を続けると書かれています。
　
　　「最低の教師だと名指しで掲示板に投稿する。お前の家に投石。夜中に怖い電話」（脅迫文より）
　
　　確認された脅迫文は徳島市の徳島中央郵便局から送られていました。
　
　　「いたずらかなと思ったのですが、でもあまりに規模が大きいので。（教員は）すごく素直で人の話をよく聞く方が多い。だまされやすいのでは」（静岡県教委義務教育課 林 剛史 課長）
　
　　脅迫文は退職したり、すでに死亡したりした教職員の自宅にも届いていて、過去の教職員名簿が悪用された可能性もあります。現時点で被害は確認されていませんが、文部科学省は各地の教育委員会に注意を呼びかけました。
　
　　「封筒を見てみますと、裏側には送り主は記載されていません。中の手紙を見てみますと、届け先にはタイの住所が記載されています」（記者）
　
　　脅迫文は、現金をバンコク市内に国際郵便で送るよう要求、現金の送り方も細かく指示しています。
　
　　「厚さの薄い週刊誌の真ん中のページを開き、はみ出さないように挟む。重量と価格の数字間違えるな。記入不備で届かなかったら、お前は終わりだ」（脅迫文より）
　
　　バンコク中心部。日本人が多く住む地域にほど近いプラカノン地区です。アパートが立ち並ぶ一角に、脅迫文で、現金の送付先に指定された住所がありました。
　
　　「現金の送付先に指定されたのが、こちら、バンコクにあるアパートの一室です。その部屋に住むタイ人女性の知人の日本人男性が、ある人物から荷物の受け取りを依頼されたと話しています」（記者）
　
　　この部屋に住むのはタイ人の女性。
　　「私のアパートに届く。でも今届いているのかは分からない。（Ｑ．日本から？）そう、日本からです」（「送付先」に住むタイ人女性）
　
　　この女性は、知人のタイ人女性に頼まれて、荷物の受け取りを引き受けたといいます。…