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日本のライブやイベントの撮影禁止は「ひどいローカルルール」?「日本でライブやイベントの撮影が原則禁止になっているのはおかしい」という意見が、英字紙に載り話題になっています。海外では、ライブやイベントの撮影規制は厳しくなく、日本の撮影禁止は「ひどいローカルルール」というのです。
なぜ、海外で許されているものが日本では原則禁止になっているのでしょうか。この「禁止」の根拠としては概ね3つのポイントが挙げられます。
(1)著作権法によるもの
(2)肖像権的なもの
(3)契約によるもの
著作権法だけで静止画の撮影まで禁止するのは無理がある
まず、著作権の問題。例えば、楽曲の演奏中に動画撮影をすれば、その曲が観客のカメラ(の中の記憶媒体)に複製されることになります。これをYouTubeなどで公開すれば、その楽曲の著作権者(作詞家・作曲家)の複製権や公衆送信権を侵害します。
しかし、著作権法は海外の各国にも存在します。また、自分が撮った動画を自分で観たり聴いたりしている限りは私的複製として許されます(著作権法30条1項)。現実には、動画撮影を許可すれば、その動画が違法アップされる可能性が高いので、著作権者としてはそういう侵害行為を未然に防ぐために禁止にしていると考えられます。
同様の問題は映画館での無断撮影にもあり、映画に関しては特別に私的複製規定の適用を排除する法律が制定されるに至りました(映画の盗撮の防止に関する法律、いわゆる「映画泥棒」を禁止する法律です)。逆に言えば、こうした特別な法律がないのに、著作権法だけで動画はもとより静止画の撮影まで禁止するのは無理があります。
単純に「肖像権があるから撮影はダメ」とも言えない
次に、肖像権の問題を見ていきましょう。これは他人から勝手に写真を撮られたり、公表されたり利用されたりしないように主張できるというものです。アーティストの写真などでは、経済的価値を重く見た性格づけ(パブリシティー権という)もあります。
これも「公表しなければ良いではないか」「いや、公表しなくても女性アーティストなどは身体の一部を執拗に撮られることがあるから盗撮と同じでダメだ(迷惑防止条例違反)」「いやいや、公開の場で注目されることを前提にしているのだから盗撮と同じではない」といった具合に議論が可能で、単純に「肖像権があるから撮影はダメ」とも言えません。
主催者には、観客にサービスを安全に提供する義務がある
そして、契約上の問題です。…