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シロオビアゲハの雌のうち擬態をするタイプ(写真中央)は有毒なベニモンアゲハ(同左)に似ている(藤原晴彦東大教授提供)
沖縄や東南アジアに生息する「シロオビアゲハ」のうち、雌の一部だけが有毒な「ベニモンアゲハ」に羽の紋様を似せて身を守る擬態をするのは、数千万年前に起きたとみられる染色体の一部逆転が主因と分かった。
東京大や東京工業大、名古屋大、国立遺伝学研究所などの研究チームが、シロオビアゲハと擬態しないナミアゲハの全遺伝情報(ゲノム)を解読し、比較した成果。22日までに米科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版に発表した。
シロオビアゲハの羽は全体が黒く、後ろ側に白い帯の紋様がある。雌のうち擬態をするタイプは白帯の周りに赤い斑点があり、有毒なベニモンアゲハに似ている。
ゲノム解析や実験の結果、シロオビアゲハの擬態タイプは、染色体を構成するDNA塩基配列の一部領域が逆転していると判明。この領域にある雌雄決定を制御する遺伝子が、逆転して雌になる場合だけ赤い斑点を生じさせることが分かった。逆転が起きたのは約4000万年前にシロオビアゲハとナミアゲハの種が分かれた後と推定された。