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東京消防庁城東消防署で東京大空襲について講演する元消防官の加瀬勇さん=5日午後、東京都江東区
一晩で約10万人が死亡したとされる東京大空襲から10日で70年となるのを前に、当時猛火に包まれた街の消火に当たった元消防官加瀬勇さん(89)=千葉県習志野市=が5日、東京消防庁城東消防署(東京都江東区)で講演し、署員らに壮絶な空襲体験を語った。
加瀬さんは採用年齢を引き下げて集められた「年少消防官」の1人で、18歳だった1944年に城東署砂町出張所に配属された。大空襲のあった45年3月10日もポンプ車で出動したが、あまりの火勢のすさまじさに消火活動を断念。避難する途中で顔面や四肢に大やけどを負い、多くの同僚を失った。
「焼けて頭蓋骨が露出した死体を何百人も見た」「入院した病院の屋上にも焼夷(しょうい)弾が落ちてきた」。加瀬さんは署員や消防団員ら約80人を前に「あの日は70年たっても忘れることができない『悲劇の日』だ」と、空襲被害の悲惨さを証言。「これからも街の守り神として尽力していただきたい」と呼び掛けた。
講演を聴いた消防士の布山龍之介さん(26)は「想像を絶するような状況で衝撃だった。もし自分が現場にいたら、ぼうぜんと立ち尽くしてしまうのでは」と驚いた様子。消防副士長中本祥平さん(27)は「今と町並みも資機材も全く違う時代だが、人を助けるということは変わらないと感じた」と語った。