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オウム真理教による地下鉄サリン事件が20日で発生から20年を迎えるのを前に、被害者の遺族らが14日、東京都千代田区で事件の再発防止をテーマに集会を開いた。事件の裁判を担当した元判事や医療関係者らがパネリストとして出席し、約300人が耳を傾けた。
事件で霞ケ関駅助役だった夫一正さん(当時50歳)を亡くした高橋シズヱさん(68)は「事件を知らない世代も増えている。カルトの問題はまた起こりうるので、体験した人が警告を発し続けていかなければならない」と語った。オウム真理教犯罪被害者支援機構理事長の宇都宮健児弁護士(68)は「なぜ日本で起き、なぜ食い止められなかったかをもう一度真剣に考えないといけない」と話した。
元教団幹部でサリンの散布役の一人、林郁夫受刑者(68)の公判を担当した山室恵元判事(67)は「大切なことは失敗した原因は何か改めて検証し直すこと」と主張した。
被害者34人の治療にあたった東京医療センターの菊野隆明・救命救急センター長(60)は「当時は後遺症や精神的な部分までフォローできず、悔しい思いがある。事件を契機に災害派遣医療チームDMATの組織化が進むなど、救急医療の目が覚めたことが唯一の慰めと思う」と語った。【山崎征克】