[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
兵庫県洲本市の5人刺殺事件で、殺人容疑で送検された平野達彦容疑者(40)が今年1月、同県明石市から洲本市に転居したことを保健所側が把握していなかったことが関係者への取材で分かった。事件から16日で1週間。保健所は昨年10月に平野容疑者の母親から相談を受け、警察へ連絡すると共に受け入れ病院を調整していた。だが、相談が途絶えた後は支援も継続されず、凶行を防ぐことはできなかった。
「息子が金を借りに来ると言っている。以前、テーブルを蹴るなどの行為があったので怖い」。昨年10月15日、平野容疑者が住んでいた明石市の明石健康福祉事務所(保健所)に、洲本市の母親から電話で相談があった。母親は2日後、洲本健康福祉事務所も訪れて同じ相談をした。
洲本事務所は、平野容疑者の家族らから2005年以降に計5回、近隣トラブルなどの相談を受け、家族を介して支援していた。昨年10月の相談後も明石、洲本両事務所は内容を共有し、県警洲本署に協力を依頼。受け入れ先の病院を調整していた。
昨年10月20日。明石事務所が問い合わせると、母親は「姿を見せなかった」と答えた。明石事務所は平野容疑者に面談し、健康状態に問題はないと判断。母親からの相談は途絶え、洲本事務所も追跡の電話や訪問はしなかったという。
平野容疑者は今年1月、明石市から実家に戻った。2月14日には、死亡した平野毅さん(82)の孫と口論になり、孫が写真を撮られたと通報した。洲本署は3月3日、捜査を開始。この間、毅さんの家族は計9回にわたって洲本署に相談。同署はパトロールを強化したが、洲本事務所に平野容疑者の情報は伝わらなかった。
県警は「保健所から情報提供された事案だったので、保健所も知っていると考えた」と説明。洲本事務所の柿本裕一事務所長は「見守りの空白があったかどうかを検証する」としている。