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東日本大震災の津波と火災で校舎が焼失し、仮校舎で授業を続けていた宮城県石巻市立門脇(かどのわき)小学校の閉校式が22日、仮校舎のある門脇中で開かれた。学区の大半が被災し児童数が激減、4月から近くの石巻小に統合される。児童、卒業生ら約600人が142年の伝統を持つ母校に別れを告げた。
式では、6年の尾形凌太さん(12)が「震災でつらい経験をしたが、環境が変わっても毎日楽しかった。この学校で過ごしたことを決して忘れない」と別れの言葉。出席者全員で「手を取って進もうよ/小学校は門脇」と校歌を歌った。
門脇小は1873(明治6)年創立。海から約800メートルの場所にあり、津波で浸水後、流れ着いたがれきが発火し校舎が焼失した。学校にいた児童は高台に避難し無事だったが、下校した7人が犠牲となった。学区の大半が居住できない災害危険区域となり、児童数も震災前の3分の1の109人に。それでも約6割は学区外の仮設住宅などから仮校舎に通い続けた。被災校舎は、市が震災遺構として保存するか検討中。
卒業生の吉田恵美さん(40)は娘が同小3年生。被災校舎近くの自宅が被災した。「戻りたいけど戻れないだけに、震災を理由に母校が消えるのは心が痛い。娘は自分から入学を希望し、この3年で気持ちが強くなった。門脇小の子たちに、私も元気づけられた4年だった」と話した。【百武信幸】