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◇「隅田川両岸景色図巻」、16年秋にも公開へ
江戸後期に活躍した絵師、葛飾北斎の肉筆画の傑作「隅田川両岸景色図巻」を取得することになったと、東京都墨田区が4日発表した。長らく所在が不明だったもので、2016年度に開館予定の「すみだ北斎美術館」に収蔵される。
図巻は、縦28.5センチ、横633.5センチ。現在の台東区側から望む隅田川両岸の景色が両国橋を起点に描かれ、最後は遊郭「吉原」の室内で終わる。落款や巻末の文章から、北斎が数え46歳の1805年、戯作(げさく)者の烏亭焉馬(うてい・えんば)の依頼で描いたと分かる。
1892(明治25)年、東京・上野で開かれた浮世絵展に出品。1902年にフランスで競売にかけられた後は、所在不明になった。約100年後の2008年、ロンドンの競売に登場し、日本の画商が落札していた。
北斎の研究者で墨田区の芸術専門員、永田生慈(せいじ)さんは「北斎壮年期の傑作で、制作の経緯や場所が特定できる意味でも貴重な作品」と評価。山崎昇・同区長は「美術館の目玉として、来年秋以降の開館時に披露したい」と話している。
購入額は1億4904万円。区内篤志家3人の寄付金をあてる。17日の区議会本会議で議決される見込み。【岸桂子】