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失踪した複数の船舶所有者、企業救済を担うホワイトナイトと呼ばれる投資家が北京の警察当局に拘束されたと報じられた。一方ではアフリカ産木材の取引が中断された。これらの事例はみな、中国の船舶を巡る業界の悲惨な現状をあらわしている。中国の経済成長は四半世紀ぶりの低水準に落ち込み、中国の造船会社や顧客を窮地に追い込んでいる。
被害の拡大を抑えるため、中国当局は同国の2大民間造船会社に対し、事業統合の可能性を探るよう強く促した。
停泊する貨物船(江蘇省淮安)=ロイター
今週初め、シンガポール市場に株式を上場する中国の造船大手である揚子江船業は、複数の中国政府機関から、同社より小規模な同業の中国熔盛重工集団の株式取得を提案された。熔盛重工は2014年、総額で100億元(約16億ドル)を超える債務再編を実施した。
熔盛重工の株式は11日、香港市場で取引停止となった。
■ばら積み船運賃指標、30年ぶりの低水準
ばら積み船運賃の国際指標である「バルチック海運指数」が30年ぶりの低水準に落ち込んだという事情も、過去数年にわたった熔盛重工の業績不振の一因になった。多くの海運会社の経営が苦しくなった。なかでも造船のほかに、鉄鉱石や石炭を運ぶばら積み貨物船をリースしたり運航したりする小規模な民間企業は窮地に追い込まれた。
「短期の船舶リース料金は安く、1年前に割高なリース料金で長期契約を結んだ海運会社には痛手だ」と独立系運輸アナリストのラッセル・バーリング氏は指摘する。「ばら積み貨物船を運航する会社は長年厳しい状況に置かれているのだ」
香港で3月5日に開かれた沙鋼船務の会社精算の集会には20人を超える債権者が押しかけた。その中には、ベルギーのばら積み貨物船会社のボシマールや世界の海運業界の大物でギリシャの船舶王ジョージ・エコノム氏らの代理人の顔もみられた。
民間会社の沙鋼船務は13年に初めて海外で波風を立てた。当時、沙鋼船務は(同社からの船舶リース料として)6600万ドルを滞納していたとされる中国の海南航空グループとトラブルを起こした。沙鋼船務が韓国当局に対し、海南航空グループが運航していたクルーズ船の差し押さえを要請したのだ。その結果、海南航空グループは、クルーズ船の乗客1600人を上空から退避させるしかなかった。
海南航空グループ側の海事専門弁護士によると、沙鋼船務の負債は、この時点で海南航空グループに支払いを求めていた滞納分の10倍を超えている可能性がある。沙鋼船務の精算担当者はこの件でコメントを控えた。