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ロシアの野党指導者であるアレクセイ・ナワリニー氏とボリス・ネムツォフ氏は3週間前、プーチン大統領に抗議するデモの計画を実行に移すため、モスクワの地下鉄構内で宣伝活動にいそしんでいた。その翌日、ナワリニー氏の身は獄中にあった。1週間後にはネムツォフ氏がクレムリン(大統領府)の近くで銃撃を受け、死亡した。
反政権リーダーのナワリニー氏。15日間の拘留から釈放された(6日、モスクワ)=ロイター
15日間の拘留を終え、ナワリニー氏は再び行動を起こそうとした。汚職を暴き、野党の集会を企画し、政府が相手のたくさんの法廷闘争に取り組むといった活動だ。だが、ネムツォフ氏を失い、ナワリニー氏を取り巻く環境は一変してしまった。
■野党陣営をまとめていたネムツォフ氏
「ネムツォフ氏はコミュニケーション能力にたけていた」とナワリニー氏は語る。「彼は、リベラルから極左に至る幅広い野党陣営をまとめることができた。共産主義者をはじめプーチン政権側にもパイプがあった。体制側はネムツォフ氏の見方に賛同しなくても、対話には応じていた」
そんなネムツォフ氏はこの世を去ってしまった。ナワリニー氏は、プーチン氏の政権運営に不満を持つさまざまな立場の人々をまとめ、影響力のある野党勢力を形成するという難題を抱えることになった。
野党側にいる複数の活動家は、ナワリニー氏が、プーチン政権で首相を務めた経験を持ちながらネムツォフ氏のグループの主要メンバーに転じたカシヤノフ氏と協力関係を構築することは困難だと考えている。
すでに混乱の兆候がある。一部の活動家は野党陣営の抗議デモを4月に実施すべきだと提案した。一方、ナワリニー氏は、デモをするかどうかはまだ決まっておらず、野党陣営は勝手に集会を計画すべきでないと述べた。
ナワリニー氏の支持基盤だった人たちの多くがロシア国外に逃れ、ただでさえ分裂気味の抗議活動は勢いを失いつつある。ナワリニー氏は「近ごろではロシアで最も優秀な大学の卒業生は公官庁に入り、体制の一部に取り込まれるようになった。一方、技術者たちは国を離れる。私たちにとってはよくない状況だ」と指摘した。ナワリニー氏は、ネムツォフ氏の殺害で広まった恐怖が、こうした傾向に拍車をかける懸念があると主張した。
ナワリニー氏は「容易なことではないが」と前置きして続けた。「ネムツォフ氏が優れていた点は恐れを知らないことだった。1990年代に活躍したほかの政治家と異なり、大統領に上り詰めるという野心を優先するタイプではなかった。街頭での政治活動など、やらなければならないことをしていたのだ」