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先週の米国のストレステスト(特別検査)では欧州の銀行だけが不合格となった。それはサンタンデールとドイツ銀行が一番耳にしたくなかった知らせだ。両行はすでに欧州の景気停滞により十分すぎるほどの問題を抱えている。米連邦準備理事会(FRB)による第1段階の資本量に関する検査で両行は十分に資本が備わっているとみなされたが、質的な条件をクリアできなかった。
サンタンデールのニューヨーク支店=AP
サンタンデールは今回が初めてではなく、昨年のテストも不合格だった。今回の検査でFRBは同行の資本計画、ガバナンス(統治)およびリスク管理について「広範囲にわたる重大な欠陥」を認定した。今回初めて検査されたドイツ銀行については「数多くの重大な(質的な)欠陥」により不合格となった。
この結果に対し、予想通り欧州からは規制による保護主義であるとか米規制当局は行き過ぎだなどと非難する声が一斉に上がった。
これは狭量なものの見方だ。米国の銀行市場は魅力的で、米経済は多くの他の先進国よりも急速に成長している。さらに、米ドルは世界的に重要で、グローバル展開を目指す銀行は米国の銀行免許なしではやっていけない。好むと好まざるとにかかわらず、グローバル展開を目指す銀行は米国の基準に従う必要がある。
米国の基準に従うべきか否かを決めかねている銀行は、この機会にどちらにするか決めるのが良いだろう。今後FRBのストレステストを受けることになる米国以外の銀行は増えていく。2016年から米国に500億ドル超の資産がある外国銀行に対し、十分な資本金を持つ「中間持ち株会社」を設立する義務を課す法律が施行される。
FRBの今年の検査に関して、米国と外国の銀行に対して公正に実施されたかどうかを正確に知るすべはない。多くの銀行家が不満を漏らしているように、ストレステストのプロセスはブラックボックスのようなものなのだ。
だが、それを非難する者が単に泣き言を言っていることを示す証拠がいくつかある。第一に、前年の検査で一番出来が悪かったのは米国の銀行だった。第二に、外国の銀行がこれまで完璧だったことはほとんどない。たとえば、サンタンデールは昨年の検査で不合格となり、スペインの親会社に配当金を支払うことを禁じられていたが、それにもかかわらず配当を実施した。これにFRBは速やかに警告し、配当金は戻された。もし規制当局が今回はさらに慎重に目を光らせていたとしても、さほど不思議なことではない。