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アラサーになるにつれ、ビール腹が気になりだした記者(28歳・男)。なんとか体を絞れないものかとジョギングをはじめたが、大好きな酒の誘惑には勝てず、体重が落ちる気配はゼロ……。荒療治が必要と思い立ち、飲まず食わず歩き続けるという「第92回かち歩き大会」に参加した。
⇒【写真レポート】第92回かち歩き大会…「都庁前に1000人以上の参加者が集結」ほか
◆開始1時間で早くも食欲はピークに
昭和44年に第1回が開催された伝統あるこの大会。飲まず食わずというとかなり過酷なイベントを想像しがちだが、テーマはあくまで“自己鍛錬”。順位や時間を競う大会ではなく、場合によっては飲み物もOKという気軽に参加するできるものだ。今回のコースは新宿~青梅43kmと新宿~東村山23kmの2種類。初参加の記者は後者にエントリーした。
スタート地点となったのは目の前に都庁がそびえ立つ新宿公園。1000人以上集まった参加者は、小学生や家族連れから、60歳以上のベテランまで年齢もさまざま。服装もスポーツブランドに身を包んだ本格的なものから、ジーパンにスニーカーというカジュアルなものまで多種多様。大規模な大会にありがちな緊張感もなく、初参加でもリラックスして臨むことができた。
そして、しっかり水分を補給したところでいよいよスタート! とはいっても、5kmまでは準備運動をかねた集団歩行。普段歩くよりもペースがゆるやかなうえ、信号が多くなかなか前に進まない。5時間半という制限時間がもうけられているため若干焦りを感じたが、コースは車が行き交う公道のため基本的に追いこし禁止。安全第一で歩みを進めた。
1時間ほど歩くと団体の歩行が解禁され、固まっていた参加者の列も少しずつほぐれていく。「青梅までのコースでも余裕だったな……」と、考えていると最初の障害が。道沿いに立ち並ぶ飲食店の看板だ。最後の食事は家を出る前に食べたヨーグルト。そこからすでに3時間以上が経過し、記者の食欲はピークに達していたのだ。ラーメン屋から漂う仕込みの香りや、視界に入ってくるハンバーガーのメニュー写真が、ボディーブローのように腹を刺激する……。
そんな誘惑に襲われつつも、歩くペースは徐々にアップ。新宿、中野、杉並、練馬区を抜け、ついに西東京市に突入した。第1チェックポイントが近づくと、見えてきたのは田無タワーこと西東京スカイタワー。西東京住人にとっては東京タワーやスカイツリーよりもなじみの深い名所(?)だ。
◆ようやくたどりついたゴールで目にした光景とは
ところが15kmのチェックポイントを通過すると、第2の障害が。ものすごく足が痛い! 普段から階段を避けエスカレータを使う甘ったれた記者にとって15kmは予想以上のキツさ。ふくらはぎはパンパンに張り詰め、蓄積した疲労は足裏の痛みへと変貌する。このころには先ほどまでの食欲もすっかり消え失せていた。
最初の余裕は消え去り、完全に追い込まれたが、ふと前方を見るとビルの隙間から西武プリンスドームが。ついに東村山に入ったのだ。ヘトヘトになりつつ、ようやく集合地点にたどり着くと……肝心のゴールはかなり地味。観衆からの盛大な拍手やド派手なゲートを想像していた記者の脳裏に「自己鍛錬」という言葉がよぎる。スタートから4時間41分、結末はなんともあっけなかったが、なかなかの好タイムで歩ききることができた。
そして帰宅して筋肉痛をこらえながら体重計に乗ると嬉しい結果が。なんと前日70.5kgあった体重が69kgまで落ちている! 一時的なものとはいえ、飲まず食わずで大量に汗をかいたため、かなりのダイエットに成功した。次回のかち歩き大会は11月8日。次は青梅まで挑戦しようと誓うのであった。
<取材・文/林バウツキ泰人>