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日本などの海外のアニメやドラマ、漫画などに中国語字幕を付け、無断でネット上にアップロードする「字幕組」と呼ばれる集団が、中国国内には多数存在し、海外作品の翻訳の質やスピードを競っている。明白な著作権の侵害行為だが、検閲制度により海外の正規コンテンツが手に入りにくい中国で日本文化を若者に浸透させてきた側面もある。北京在住の字幕組メンバーにその実態と動機を聞いた。(北京 西見由章)
「後ろめたさはないです。利益を得ているわけじゃない。やりたいからやっている」
約2年前から字幕組の活動に参加しているという女性(28)は、あっけらかんと言い放った。きっかけは、日本の若い俳優のファンになったこと。その出演ドラマを翻訳する字幕組への参加を呼びかける書き込みをネット上で見かけた。日本語を専門的に勉強したことはなかったが、語学学校にも通い始めた。
字幕組のメンバーの多くは時間に余裕のある大学生だ。女性は日系企業に勤務する社会人。なぜ無報酬の翻訳を引き受けるのかと聞くと、「愛です」と返ってきた。大好きな俳優とその出演作品への思い、翻訳することで得られる充実感が動機なのだという。
女性によると、字幕組は主に3つの部門に分けられる。海外でテレビ番組を録画するなどして動画を入手し違法にアップロードする「片源」と、語学力を生かした「翻訳」、字幕の付いた動画をネット上に流す「後期」だ。
女性が所属する字幕組には翻訳班だけで20人ほどがいるという。
女性は「字幕組の活動は非合法」と認める一方、「中国では海外の映画やドラマ、アニメを見たくても検閲制度があるため制限が大きい。字幕組が活動することで海外の傑作をみんなが見られるようになる」と政府の検閲政策を批判し、自分たちの行為を正当化した。